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「エンジニアの知的生産術」を読みました&実践しました

こんにちは。west-c です。

書籍「エンジニアの知的生産術 ──効率的に学び、整理し、アウトプットする」を読み、個人的に刺さる内容でしたので、今回はこちらの本を紹介します。

なお、先日社内で開催されたビアバッシュでもこの書籍の紹介を行いました。

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以下のような方におすすめの書籍です

  • 勉強しなくては思うが勉強の仕方が分からない
  • やる気が起きない・維持できない
  • そもそも何から勉強すれば良いのか分からない

私はまさに上記のような悩みを持っていました。 若手の方を中心に、自己研鑽のための学習方法に悩んでいる方におすすめします。

「知的生産」とは

知的生産とは『知識を用いて価値を生み出すこと』と書籍内では定義されています。 例えばプログラムを作成したり執筆を行い書籍を出版したりする等、インプットした知識をもとに新たな価値を生み出すことが知的生産にあたります。

その中でも、どのように学習するか、言い換えるとどのように知識をインプットし自身の中に定着させるかについての記述が特にためになる書籍でした。

学びのサイクル

学習は「情報収集」「モデル化」「検証」の3要素を繰り返すことで成り立っていると書かれています。

  • 情報収集:知識をインプットするフェーズ
  • モデル化:情報収集した知識を整理するフェーズ
  • 検証:アウトプットを通じてモデル化した知識が正しく理解できているか確認するフェーズ

自身の今までの学習方法を振り返ると、情報収集は行うものの知識を腹落ちさせるためのモデル化および検証のフェーズが足りていませんでした。 書籍などを読んでも自分の知識として定着していない感覚があったのも、この学習のサイクルを回すことができていなかったためだと感じました。

また、「情報収集は自分の知りたいと思うところからつまみ食いするような学習方法でも良い」との記述が書籍内でありました。 私の場合、書籍を読む際には最初から最後のページまで読まなければならないという先入観があり、結果として最後までやる気を維持できず投げ出してしまうことも多々あったため新たな発見でした。

学びのサイクルを実践してみる

早速実践しなくては読んだ意味が無いということで、『「エンジニアの知的生産術」を読み学びのエッセンスを習得する』という学習を、学びのサイクルに当てはめて実践してみました。

1. 情報収集

今回は書籍を読むことがこのフェーズにあたります。 私は Kindle 版で読んでいたため、印象的な文章は適宜ハイライトを付けながら読み進めました。

2. モデル化

書籍から学んだ内容を整理するフェーズです。ここでは、考えをまとめる方法として書籍内で紹介されていた「書き出し法」「KJ法」を利用して整理を行いました。

①得た情報を書き出す

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ハイライトを付けた内容を中心に、書籍から得た情報を付箋に書き出しました。 書籍内だけに限らず、別の書籍の関連する部分*1や自身が感じたことについても同様に書き出しています。

②分類する

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書き出した付箋を、関連するもの同士グループ化し、そのグループを表す表札を付けます。 ここでは、「この記述はどの章にあった」ということを忘れて、付箋同士を眺めて新たな関連を見つけることを意識しました。

③図解化する

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分類した単位で付箋を展開し、各付箋の繋がりを図示していきます。 この図示した内容をもとに、社内のビアバッシュで紹介を行うためのスライドを作成しました。

3. 検証

社内のビアバッシュにて紹介を行い、伝えたいことが伝わっているかの検証を行いました。 若手メンバーを中心にためになったという感想をいただいたので、自身が書籍を読んだときに感じた気持ちが多少なりとも伝わったのではないかと思います。 また、本記事による文章化は二度目の検証という意味合いもあります。

実践してみて

スライドの作成中、理解が曖昧な箇所に気付き再度本を読み返すことがありました。 モデル化・検証により分かったつもりで実は理解できていなかった点に気付くことができたことから、復習として有効であり、また得た知識も自身の中に定着しているように感じました。 加えて、モデル化の過程でフラットな階層で得た情報を一覧化したことで、別の章に記載されている事同士の関連に気付き新たな発見があった点も収穫でした。

一方で以下のような壁にもぶつかり、書き出し法・KJ法の難しさを痛感しました。

  • KJ法は付箋100枚程度からが有効、との記述が書籍内であったが100枚書き出すのはなかなか難しい*2
  • 付箋の分類は意識しても章単位にまとまってしまいがち
  • スライド作成の段階で話の進め方に悩み、付箋の繋がりをきちんと図解化できていないことが露呈する

上記のような難しさは感じましたが、考えを整理する方法として手応えは感じましたので今後も実践して感覚を掴めればと思います。

感想

タイトルに「エンジニアの」とあり例示こそエンジニア向けですが、多くの人にとって有用な学習方法のエッセンスが含まれている一冊でした。 書籍を通じて学習に対するモチベーションが生まれたので、モチベーション維持の方法など学んだ知識を取り入れながら積極的に情報収集を行っていきたいと思います。 また、情報収集だけではなく、自身の中に知識を腹落ちさせるモデル化・検証のフェーズも疎かにせず学習に取り組んでいきたいです。

関連リンク

*1:例えば書籍内の「卓越」の話は、「達人プログラマー」の「知識のポートフォリオ」の話と通じると感じました

*2:読了後にまとめて書き出したことで忘れてしまった内容もあると感じるため、読みながら感じた点を都度付箋に書き出していけば100枚ほどになるのかもしれません

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