RAKUS Developers Blog | ラクス エンジニアブログ

株式会社ラクスのITエンジニアによる技術ブログです。

新卒エンジニアが手戻りだらけの要件定義から学んだこと

はじめに

こんにちは。新卒3年目のymyhero7です。

メールディーラーという自社開発プロダクトの開発チームに所属しています。

入社してすぐの頃は、実装やテストの工程を担当していましたが、新卒2年目から徐々に要件定義を任されるようになりました。もともと就職活動の面接段階から、「どうすればお客様にとって本当に価値のある機能を作れるか」といった上流工程への関心が強く、そうした業務に携わることを希望していました。 そのため、2年目という比較的早い段階から要件定義に関われるようになったときは、非常に嬉しかったのを覚えています!

しかし、意気揚々と始めた要件定義の業務は、想像以上に難しく、苦労の連続でした。作成した要件定義書はレビューで指摘を受けることが多く、大幅な手戻りが発生してしまうことがしばしばありました。

本記事では、そうした経験を通じて学んだ要件定義の進め方のコツや「顧客理解」の重要性をご紹介します。

  • はじめに
  • 苦戦した要件定義と、繰り返される手戻り
  • チームで取り組んだ改善
  • 顧客ヒアリングを通じて得られた気づき
  • 実践している3つの工夫
  • おわりに
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PRレビュー自動化から始まった!私たちのチームのAI駆動開発の取り組み紹介

はじめに

こんにちは。フロントエンド開発課でチームリーダーをしています、北嶋です。

私が所属する開発部では、開発の「スピードUP」と「生産性の向上」を今年度の大きなテーマとして掲げています。
そこに向けて、私のチームでは開発プロセスの中でAI活用を実践していく「AI駆動開発」を推進することに、積極的に取り組んでいます。

本記事では、今年度から本格的にAI活用に取り組み始めた私たちが、どのようにAI活用を進めて、どのような成果や学びを得たのか、具体的な事例を交えながらご紹介できればと思います。
まだまだ発展途上ではありますが、私たちが実践してきた取り組みが、開発業務でAI活用をしていきたい方への、何かヒントになれば幸いです。

  • はじめに
  • どのようにAI駆動開発を進めてきたか
    • ステップ1:KPIの設定
    • ステップ2:個人での利用とアイデアの共有
    • ステップ3:チームでの標準化
      • 例①:DevinのAPIを活用したプルリクエストの自動レビュー
      • 例②:Github Projectsによるプロジェクト管理の効率化
        • 背景
        • AI連携方法
        • AI連携を試してみた結果
  • 得られた学び
  • おわりに
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隣の芝が青く見える世界で、PdMとして自分の足元に目を向けられるようになるまで

自己紹介

こんにちは、株式会社ラクスでプロダクトマネージャー(以下PdM)をしていると申します。 楽楽精算のPdMを経て、現在は楽楽精算モバイルアプリ・楽楽明細・楽楽債権管理・AIリーン開発と複数のプロダクトでPdMを担当しています。 (PdM積極採用中です!!)

今回はPdMという役割を経験して私が感じてきたことを記事にしてみます。 PdMを目指している方やPdMという役割にもやもやしている方の参考になると幸いです。

はじめに

「隣の芝が青く見える」——この言葉が、私のPdMキャリアの最初の数年間を象徴していました。

SNSで目にする「戦略を描くPdM像」、イベントで語られる「PMFを達成したPdMの話」、そして「経営に貢献するPdM」の事例。 それらと比較して、私は「自分のやっていることは、本当にプロダクトマネジメントと言えるのだろうか?」と疑問を持っていました。

そんな中でも派手ではないけれど確かに意味のある仕事を続けた結果、今は複数のプロダクトのPdMを担当させてもらっています。

この記事では、過去のモヤモヤや迷いも含めながら、「自信がない中でも前に進み続ける」ためのマインドや行動習慣をお伝えします。 比べることに疲れたジュニアPdMに、ちょっと肩の力を抜けるようなヒントを届けられたら嬉しいです。

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コードレビューが激変している

こんにちは、フロントエンド推進課の水野です。
普段はWebフロントエンド領域を中心に、商材開発や技術支援、開発改善に携わっています。 自動化・標準化、開発プロセスの変遷に関心があり、作るものだけではなくその過程や運用設計を意識して取り組んでいます。

note.com


最近、自分の中でコードレビューのやり方が変わったなと感じています。
GitHub CopilotやClaude Codeのようなツールが当たり前になり、構文エラーやコーディング規約のチェック、命名規則の統一のような作業はほぼ自動化できてしまいます。
成果物の出てくるスピードと規模感も桁違いで、レビューだけで1日が溶ける日もたまにあります。

その中で、改めて「自分は何をレビューすればいいんだろう」「コード以外に見るべきものはなんだろう」と考えることが増えました。

個人的にコードレビューや開発現場に関する話が好きで、ブームが再燃しているからというのもあります。

www.shoeisha.co.jp

www.shuwasystem.co.jp

  • 添削作業の消失
  • 答えを出すことによる機会損失
  • 「なんで?」を大事にしている
    • 設計の話
    • 運用の話
  • 開発チームの変化
    • 知見の民主化
    • 非同期で作る
  • 今後
  • おわり
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ジョブ理論をもとにノーススターメトリックを考える重要性 ~相乗効果の実現~

自己紹介

ラクスでPdMをしております。@keeeey_mと申します。

現在の担当商材は、楽楽シリーズ(楽楽精算、楽楽明細、楽楽電子保存、楽楽債権管理)を担当しており、個人としては楽楽精算×AIの担当、楽楽明細・楽楽電子保存・楽楽債権管理PdMチームのリーダーをしております。

はじめに

前回までの記事では、ジョブ理論とノーススターメトリックそれぞれの重要性について詳しく解説しました。第1回では顧客の真のニーズを理解する鍵としてのジョブ理論、第2回では組織全体の方向性を統一する鍵としてのノーススターメトリックについてお伝えしました。

しかし、これらを単独で活用するだけでは、真の事業成長を実現することは困難です。本記事では、ジョブ理論とノーススターメトリックを組み合わせることで生まれる相乗効果についてまとめました。

  • 自己紹介
  • はじめに
  • 相互補完的な関係
    • 単独での限界
    • 相互補完的な役割
  • 相乗効果のメカニズム
    • 因果連鎖の構築
    • 相互依存関係
    • 具体的な相乗効果
  • 市場変化への柔軟な対応
    • ジョブ理論による柔軟性
    • Netflixの事例
  • 実際の取り組み事例:両者の組み合わせ効果
  • 顧客と企業双方にとっての持続的価値創造
    • 顧客にとっての価値
    • 企業にとっての価値
    • 相互価値の創出
  • 戦略的示唆と今後の展望
    • プロダクト開発のパラダイムシフト
    • 今後の展望
  • まとめ
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AIツールを活用したモバイル開発チームの生産性向上への取り組み

はじめに

私たちのモバイルアプリ(Android/iOS)開発チームでは、2024年頃から段階的にAIツールを導入し、開発プロセスの改善に取り組んできました。プロセス改善とチーム体制の強化も相まって、PR作成数などの指標で大幅な改善を実現しています。

本記事では、私たちがどのようにAIツールを活用して開発効率を向上させているか、具体的な取り組みをご紹介します。

  • はじめに
  • 生成AI活用の文化づくり
    • 生成AI情報共有会の開催
    • 多様なAIツールの活用
  • 独自MCPサーバーによる開発環境の革新
    • MCPとは
    • 1. GoogleDrive MCP
    • 2. Redmine MCP
    • 3. 検証環境 MCP
    • 4. GitHub PR/Issue MCP
    • 5. Figma MCP
    • 6. ファイル編集 MCP
  • 具体的な活用事例
    • 開発プロセス全体での活用
    • ナレッジの蓄積と共有
  • 導入効果の測定
    • PR作成数の推移(1日あたり)
    • CI実行回数の推移(2025年分 iOSのみ)
  • 取り組みの中での失敗
  • 現在取り組んでいる課題
    • 1. 処理速度の最適化
    • 2. 効果測定の精緻化
    • 3. 適用範囲の拡大
  • まとめ
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ノーススターメトリックの重要性 ~組織全体の方向性を統一する鍵~

自己紹介

ラクスでPdMをしております。@keeeey_mと申します。

現在の担当商材は、楽楽シリーズ(楽楽精算、楽楽明細、楽楽電子保存、楽楽債権管理)を担当しており、個人としては楽楽精算×AIの担当、楽楽明細・楽楽電子保存・楽楽債権管理PdMチームのリーダーをしております。

はじめに

前回の記事では、ジョブ理論の重要性について詳しく解説しました。顧客の真の「ジョブ」を理解することの重要性と、それが企業にもたらす競争優位性についてお伝えしました。 しかし、顧客の真のニーズを理解したとしても、それを組織全体で効果的に追求していくためには、もう一つの重要な要素が必要です。それが「ノーススターメトリック(North Star Metric: NSM)」です。 本記事では、ノーススターメトリックの重要性と、組織全体の方向性を統一する鍵としての役割についてまとめてみました。

  • 自己紹介
  • はじめに
  • 従来の指標設定の問題点
    • 短期的思考の罠
    • 楽楽精算での経験
      • 顧客の属性と職種範囲
  • ノーススターメトリックの本質的な価値
    • 顧客価値を起点とした先行指標としての役割
    • 北極星の比喩が示す重要性
  • 組織全体の目標統一と方向性の明確化
    • NSMの最大の価値
    • 部門間の連携強化
  • KGI/KPIとの戦略的関係性
    • 指標の階層構造
    • 3つのバランス
  • 長期的価値創造のアプローチ
    • 短期的思考からの脱却
    • 先行指標としての重要性
  • 変化の激しい市場での成長軌道確立
    • 現代ビジネス環境の特徴
    • NSMによる成長軌道確立
  • 実際の取り組み事例
  • まとめ
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