id:radiocat です。今年度はビアバッシュ推進委員から一歩身を引いてアドバイザー役になりました。
このブログでも何度か紹介している ビアバッシュ ですが、このたび新しい運営メンバーが選抜されて、先日キックオフを行いました。同じ会社の社員とはいえ価値観は人によって違うため、ビアバッシュをどのように推進していきたいか、思い描くイメージはそれぞれ違っているものです。はじめはお互いに手探り状態で意見をすり合わせながらやりたいことをまとめていくことになりますが、そんな時に役に立つ価値観を可視化する手法が「ムービングモチベーターズ」です。
ムービングモチベーターズとは
チームのメンバー同士でお互いの価値観を共有するためのワークショップです。手法の成り立ちや考案者については後述します。
10種類のカード
モチベーションの源泉となるキーワードが書かれた10種類のカードがあります。このカードを自分が価値を感じる順番に並べ替えて共有します。
やってみよう
テーマの認識合わせ
まずは何に対しての価値観について考えるのか全員でしっかり認識合わせをします。今回は「開発部のビアバッシュを推進していくうえで価値が高いと感じるキーワード」としました。
実践タイム
5分~10分程度で時間を決めて並び替えます。あまり深く考えず直感的に並び替えましょう。
共有タイム
1人ずつ結果をチームに共有します。なぜそのキーワードを選んだのか理由も説明して価値観の理解を深めましょう。
今回はメンバーそれぞれが選んだトップ3を発表しました。このチームは「関係性」と「受容」を選んだメンバーが多いとか「名誉」や「権力」は誰も選ばなかったといったコミュニケーションを取って価値観を共有しました。
まとめ
ビアバッシュのような社内イベントの運営ではルールや手順が細かく決まっているわけではなく、むしろ集まったメンバーの個性や考え方に委ねられている面もあるので、このように手軽に価値観を共有できる手法はとても有効です。
また、私の所属する開発チームでは毎月1回全員でこれを行って前月からのメンバーの価値観の変化も追いかけています。「最近新しい技術に取り組んでいるので好奇心を選んだ人が増えた」とか、「難しい課題に取り組んでいるのでゴールの重要性を感じている」といった、チームの状況の変化に応じたメンバー同士の価値観の変化にも気づけます。
最後に、実践しするうえでのポイントを3つ紹介します。
気軽に並べる
結局どれも大事な言葉なのです。時間をかけずにその瞬間の価値観をさらけ出しましょう。もちろん隣の人のカードを見てはいけません。
言葉の捉え方も共有する
やってみると言葉の捉え方が人によって違うことにも気づきます。元々英語で作られたカードなので、「受容」や「熟達」など、日本語だと少しイメージしにくい言葉もあります。しかし気にする必要はありません。「自分はこう思ってこれを選んだ」という考えを共有することが大事です。どうしても気になる場合はみんながどういう意味で捉えているか聞いてみましょう。
楽しむ
お互いに価値観を共有しあうので、堅苦しい雰囲気だと発言しづらくなります。無言でカードを並べるのではなく、楽しくワイガヤしましょう。
参考:Management 3.0
ムービングモチベーターズはManagement 3.0のプラクティスの1つです。
Management 3.0は 公式サイト で以下のように説明されています。
オランダ出身のヨーガン アペロ(Jurgen Appelo)の世界80ヶ国で展開している新しいイノベーションとリーダーシップそしてマネジメント運動です。
近年マネジメントの領域で注目されている自己組織化や心理的安全性などについても言及されており、アジャイル開発の現場でも手法が使われているようです。