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JenkinsでNode.jsのCI環境を構築してみた

はじめに

id:FM_Harmonyです、Rakus Developers Blogでは久々の投稿になります。
前回の投稿は東京開発ビアバッシュに参加しました~2019年2月編~でした。 tech-blog.rakus.co.jp

さて、最近Node.jsの学習を個人的に行っているのですが、学習を進めていく内にJenkinsを用いたCI環境が思いのほか簡単に構築できることが分かりました。 そこで今回は、Jenkinsを用いたNode.jsアプリのCI環境の構築手順について記事を書きました。Node.jsでアプリを開発されている方の参考になれば幸いです。

なお、Jenkinsのバージョンはver. 2.173を利用しているため、それ以外のバージョンを利用している場合、設定内容等に差異があるかもしれません。

目次

Jenkinsの設定

NodeJS Pluginの導入

「NodeJS Plugin」を利用することでJenkinsがNode.jsを実行するための設定を簡潔に行うことができます。 Top画面 > Jenkinsの管理 > プラグインの管理から「NodeJS Plugin」をJenkinsにインストールします。

NodeJS Pluginのインストール

導入後、再起動したらPluginが反映されるので、次にJenkinsで利用するNode.jsの設定を行います。Top画面 > Jenkinsの管理 > Global Tool Configurationに、「NodeJS」という項目が増えているはずなので、そこから設定を行います。
何も設定していなければ、「NodeJS追加」ボタンを押下することで、Node.jsの設定を追加することができます。また、複数バージョンのNode.jsを利用するように設定することもできます

NodeJSの設定項目
  • 名前
    Jenkinsのジョブで利用する際に指定する
  • 自動インストール
    チェックを入れるとJenkinsが自動でNode.jsをインストールする。初期のインストーラとして「Install from nodejs.org」が設定されており、基本的にはインストーラを変更する必要はない
  • インストールディレクト
    自動インストールにチェックを入れない場合は入力、今回は利用しない
Install from nodejs.orgの設定項目
  • Version
    利用するNode.jsのバージョン
  • Force 32bit architecture
    今回は利用しないが、32bitOSの場合は必要かもしれない
  • Global npm packages to install
    npmで利用するグローバルパッケージの指定。基本的にパッケージ名を指定すればよいが、packageName@versionと記載することで指定のバージョンをインストールさせることができる?
  • Global npm packages refresh hours
    初期値で問題なかったので、しっかりとは調べていない...

今回は記事作成時点で最新かつ安定のNode.jsを利用する、mochaで単体テストを行いJenkinsでレポートを集計するようにするため、以下のように設定しました。

NodeJS Pluginの設定

ジョブでインストール状況を確認する

以下の設定内容でフリースタイル・プロジェクトのビルドジョブを作成してNode.jsのバージョンやnpmパッケージのインストール状況を確認してみます。

  • ビルド環境
    Provide Node & npm bin/ folder to PATHにチェックを入れ、以下の通り設定
    • NodeJS Installation
      NodeJSの設定項目で「名前」に入力したもの
    • npmrc file
      特別に設定していなければ、-use system default-しか表示されていないはず
  • ビルド
    以下のシェルスクリプトを実行する
node --version
npm ls --depth=0 -g

ビルド実行が成功し、ビルドのコンソール出力に以下のような内容が表示されていれば設定は期待通りになっているはずです。(今回はJenkinsをtomcatに載せています)

Started by user xxx
Running as SYSTEM
Building in workspace /home/tomcat/.jenkins/workspace/NodeJSConfigurationCheck
[WS-CLEANUP] Deleting project workspace...
[WS-CLEANUP] Deferred wipeout is used...
[WS-CLEANUP] Done
[NodeJSConfigurationCheck] $ /bin/sh -xe /opt/tomcat/temp/jenkins8667759308635013491.sh
+ node --version
v10.15.3
+ npm ls --depth=0 -g
/home/tomcat/.jenkins/tools/jenkins.plugins.nodejs.tools.NodeJSInstallation/NodeJS_v10.15.3/lib
├── mocha@6.1.3
├── mocha-junit-reporter@1.21.0
└── npm@6.4.1

Finished: SUCCESS

自動テストを試してみる

サンプルプロジェクトの作成

今回は以下のような構成のプロジェクトを作成してみます。

サンプルプロジェクト
├─node_modules
├─src
│  ├─index.js
│  └─calc.js
├─test
│  └─calcTest.js
├─package.json
└─package-lock.json

各ファイルの説明は以下の通りです。

  • src/index.js
    アプリケーションのエントリポイント
  • src/calc.js
    計算を行うモジュール
  • test/calcTest.js
    src/calc.js単体テスト

それ以外はnpmで自動的に作成されるファイルです。

まずは、mocha + power-assert単体テストを行いたいので、プロジェクトのルートディレクトリで以下を実行します。

npm init
npm install -g mocha mocha-junit-reporter
npm install --save-dev power-assert intelli-espower-loader

次に、index.jscalc.jsを作成します。今回は、index.jsをnodeで起動して、引数として渡した2つの数値を足したものがコンソールに表示されるようにします。

// index.js
'use strict';

var calc = require('./calc');

if (require.main === module) {
  main({
    argv: process.argv
  });
}

function main(options) {
  var argv = options.argv;
  var x = parseInt(argv[2]);
  var y = parseInt(argv[3]);
  var result = calc.add(x, y);

  console.log(x + '+' + y + '=' + result);
}
// calc.js
'use strict'

exports.add = function(x, y) {
  return x + y;
};

ルートディレクトリでindex.jsを実行してみると、以下のようにコンソール表示が行われるはずです。

$ node src/index.js 1 2
1+2=3

単体テストの作成

次に、calc.js単体テストを作成します。今回は、テストとして1+1=2を満たすことをテスト成功の条件にしてみます。

//calcTest.js
'use strict'

var assert = require('power-assert');
var calc = require('../src/calc');

describe('addファンクションの単体テスト',
  function() {
    it('add(1, 1) = 2', function() {
      var result = calc.add(1, 1);

      assert.strictEqual(result, 2);
    });
  });

ローカルで単体テストを実行してみます。ルートディレクトリでmochaを実行すれば良いです。

$ mocha

  addファンクションの単体テスト
    √ add(1, 1) = 2


  1 passing (15ms)
レポートファイルを出力する

package.jsonを編集してレポートファイルを出力するようにします、以下の設定を追記してnpm testを実行すると、デフォルトではルートディレクトリのtest-results.xmlにテスト結果が出力されるはずです。

  "scripts": {
    "test": "mocha test --reporter mocha-junit-reporter"
  },
// test-results.xml
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<testsuites name="Mocha Tests" time="0.001" tests="1" failures="0">
  <testsuite name="Root Suite" timestamp="2019-04-16T04:39:33" tests="0" failures="0" time="0">
  </testsuite>
  <testsuite name="addファンクションの単体テスト" timestamp="2019-04-16T04:39:33" tests="1" file="C:\Users\kazuki.hirayama\Desktop\NodeJSCISample\test\calcTest.js" failures="0" time="0.001">
    <testcase name="addファンクションの単体テスト add(1, 1) = 2" time="0.001" classname="add(1, 1) = 2">
    </testcase>
  </testsuite>
</testsuites>

この時点で、CI連携用にGithubリポジトリへpushしておきます。

JenkinsでCI用ジョブを作成する

最後にCI用のジョブを作成しましょう。フリースタイルビルドジョブを以下のように設定します。
Githubとの連携に関するところは割愛します

  • ビルド環境
    「ジョブでインストール状況を確認する」の際に設定したもの
  • ビルド
    • シェルの実行
npm install
npm test
  • ビルド後の処理
    • JUnitテスト結果の集計
      • テスト結果XML
        デフォルトであれば、test-results.xmlを入力
      • それ以外の項目
        とくに変更しない

この後、Githubリポジトリへpushを行うとビルドが始まるはずです。ビルドが成功して、成功後のコンソール出力が以下のようになっていれば期待通りです。

Started by GitHub push by xxx
Running as SYSTEM
Building in workspace /home/tomcat/.jenkins/workspace/NodeJSSampleCI
No credentials specified
Cloning the remote Git repository
Cloning repository xxx
 > git init /home/tomcat/.jenkins/workspace/NodeJSSampleCI # timeout=10
Fetching upstream changes from xxx
 > git --version # timeout=10
 > git fetch --tags --progress xxx +refs/heads/*:refs/remotes/origin/*
 > git config remote.origin.url xxx # timeout=10
 > git config --add remote.origin.fetch +refs/heads/*:refs/remotes/origin/* # timeout=10
 > git config remote.origin.url xxx # timeout=10
Fetching upstream changes from xxx
 > git fetch --tags --progress xxx +refs/heads/*:refs/remotes/origin/*
 > git rev-parse refs/remotes/origin/master^{commit} # timeout=10
 > git rev-parse refs/remotes/origin/origin/master^{commit} # timeout=10
Checking out Revision 9600a7cf391f3aea917dc06db88b84851d7de87b (refs/remotes/origin/master)
 > git config core.sparsecheckout # timeout=10
 > git checkout -f 9600a7cf391f3aea917dc06db88b84851d7de87b
Commit message: "test commit"
First time build. Skipping changelog.
[NodeJSSampleCI] $ /bin/sh -xe /opt/tomcat/temp/jenkins7429977434779181980.sh
+ npm install
npm WARN nodejscisample@1.0.0 No description

added 79 packages from 155 contributors and audited 280 packages in 2.283s
found 0 vulnerabilities

+ npm test

> nodejscisample@1.0.0 test /home/tomcat/.jenkins/workspace/NodeJSSampleCI
> mocha test --reporter mocha-junit-reporter

Recording test results
Finished: SUCCESS

また、ビルドの「テスト結果」から下記画像のようなテスト結果を取得できるはずです。

テスト結果

おわりに

いかがでしたでしょうか、「NodeJS Plugin」を利用することでNode.jsのアプリケーションをJenkinsでCIする環境が容易に構築できることがお分かりいただけたかと思います。基本的にプラグインの設定のみで完結するため、 個人的にはサーバで直接作業をする必要がないのが嬉しいと感じています。

まだまだ自身もCIやJenkinsについて不勉強な面がありますので、今後も学習していこうと思います。

参考


◆TECH PLAY
techplay.jp

◆connpass
rakus.connpass.com

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