RAKUS Developers Blog | ラクス エンジニアブログ

株式会社ラクスのITエンジニアによる技術ブログです。

【2022年】新卒エンジニアの技術研修発表会を行いました!

技術広報の飯野です。
ラクスでは今年4月に11名のエンジニアが新卒入社しました。
入社後2ヶ月半は講師のもとで研修を行い、研修を経た後に配属となります。(今年度の研修はオフラインでの開催となりました!)
6/28に研修の集大成となる「技術研修発表会」が行われましたので、本投稿にて紹介させていただきます。

21新卒が執筆した昨年度の研修内容もよろしければ合わせてご覧ください!
- 【2021年】ラクスの新卒エンジニアが新卒研修を振り返ってみた

目次

研修概要

研修は2022/4/13〜6/28の51日間行われました。

技術基礎研修

といった技術を通じてWebアプリケーションの構築方法を学習しました。
また、Linux、DB、コンピューター、ネットワークの基礎用語、テストの手法等もカリキュラムに組み込まれています。

実務演習

研修で学んだ内容を、個人課題を通してアウトプットしていきます。

確認テスト

毎朝の小テスト、定期テストで理解度のチェックを行います。

プロジェクト型研修

ECサイトの構築をチーム開発で行います。(開発期間は6/17〜6/28の8日間)
チームでは「必ず一人が一つの役割を持つ」というルールのもと、全員が何かしらのリーダーを担っています。

期間内に作成する機能は以下3つに分類されています。

  • 基本機能
    • 全チーム必ず実装する機能
  • 追加機能
    • 必須ではないが余裕があれば実装してほしい機能
  • 独自機能
    • 他チームとの差別化を図るチーム独自の機能

そして、開発期間終了後に成果発表会として各チーム20分ずつのプレゼンを行いました。

成果発表会

Aチーム、Bチーム、Cチームの3チームに分かれグループ演習が実践されました。

Aチーム

まず、Aチームからは「ラクラクアロハ」と名付けた飲食店のECサイトの発表です。

コンセプト

  • お客様を楽にする
  • お店側も使いやすい

を掲げ「両者の要望を叶えられるようなプロダクト」を目指し開発を行いました。

独自機能

お客様視点
  • 購入時にログイン情報からお客様情報を取得してくる(入力のコストを無くす)
  • ショッピングカートアイコンにアイテム数を表示
お店視点
  • レコメンド機能
  • 管理者機能
    • 基本機能としては存在していなかったが、両者が使いやすいコンセプトを掲げたことで、お店視点の機能を作成

等、コンセプト通りにユーザーがより使いやすい機能が独自に実装されていました。

よかった点

  • 開発初期にコンセプトを決定したことで指針ができ、認識を揃えて開発を進めることができた
  • タスク管理ツールにTrelloを導入し、追加機能がすべて実装できた
  • 1時間半に1回現状報告をする等、困ったことがあったらすぐに共有できる体制にした

反省点

  • HTMLのフォーマッターを統一しておらず、push時に差分が大量に出てしまった
  • 仕様の確認不足により変更作業が増加してしまった
  • 上記2点のにより、大量のコンフリクトと、他の人の修正に気づかずデグレを発生させてしまった

質疑応答

  • 「お店側の視点」というアイデアはどうやって出た?
    • まずお店側に使ってもらえないとお客様も使ってもらえないので、お店にも重きを置いた
    • 最初のコンセプト決めの時点でチームで話題に上がった
  • タスクの優先順位はどう決めた?
    • 基本機能>追加機能>独自機能の順番に進めた
    • 簡単な機能順にタスクを並べ、上から順に実装した
  • 技術的に攻めた箇所はどこ?
    • 強いて言うならデザイン
    • モバイルでも使いやすいようにレスポンシブを取り入れたり
  • デザインはどうやって決めた?
    • ユーザーにコストがかからないように
    • 「テーマ=アロハ」なのでテーマカラーを水色にする等、利用者が違和感を抱かないように
  • エディタは人によって変えていた?
    • チームで統一していたが、フロントエンドはVSCode、バックエンドはSTSを採用した

Bチーム

続いて、Bチームからは「ラクラクcoffee」と名付けたカフェのECサイトの発表です。

コンセプト

  • お客様視点:欲しい商品がすぐに見つかるECサイト
  • お店視点 :商品が売れやすいECサイト

を掲げ、こちらもAチームと同様にECサイトを利用するお客様と、商品を販売するお店の双方を視点に開発が行われました。

独自機能

  • 管理者側分析機能
    • 年代別の売上グラフを表示できる等、商品毎の売上が分析できるようデータを可視化

上記の機能を実装するにあたり大量のデータが必要になり、テストデータの自動生成処理も実装するという独自性も見られました。

ふりかえり

  • トラブルなく開発が行えた
  • 各個人が少し上のレベルのタスクに挑戦できた
  • クラス図の理解を丁寧に行い、基本機能の実装が早く終わった
  • 進捗管理ツールをうまく活かせなかった

改善点

  • デフォルトのデザインを使用していたので、独自性を出したい
  • レビュー機能を管理者分析機能にも活かしたい
  • UX

質疑応答

  • 協調フィルタリングは自分でコードを書いている?
    • Javaで独自で実装している
  • レコメンド機能の改善点はどういったところ?
    • データの分母が少ないとレコメンドがうまくいかない
    • よって、お店側の商品をカテゴライズすればもっとレコメンドがうまくいくはず
  • これまでに大量データを扱ったような経験があった?どういった経緯でアルゴリズムを利用した?
    • 大学院でAIを使用していた経緯がある、データを見るのが好きだったことも影響しているかも
  • 他チームは4人だが、人数が少ないハンデはあった?
    • とにかく機能を実装しきるのを目標に頑張った、デザインは後回しになって手が回らなかった
    • できるだけバグを生まないように、開発の指針を初めに決めておいたことで3人でもここまで実装できたと思う

Cチーム

最後に、CチームからはおもちゃのECサイトの発表です。

コンセプト

まず、おもちゃを購入する客層を分類し「孫を持つシニア世代」にターゲットを絞ることに。

  • ECサイトに馴染みのあるターゲットは既存サイトを使うはず
  • シニア世代にとって、既存のECサイトは機能が多く使いづらいのではないか?
  • 販売する側もシニア世代に向けたECサイトを想定していないのではないか?

という仮説からシニア世代にとって使いやすく、あらゆる問題を解決に導く「ラクラクトイ」を開発することに決定しました。

独自機能

  • LINEでのOAuth2認証
  • 商品の絞り込み機能
    • 性別や年齢、予算を入力することでターゲティングされた商品が表示される
  • RESTAPIで実装し、SPAでの表示を可能に

また、商品購入フローをヘッダーに表示する等、ターゲットに向け使いやすさを意識したこだわりが見られました。

まとめ

  • コンセプトを明確にしたことで、どういった機能が必要か全員が指針を持って開発が行えた
  • ただ、コンセプト設定に時間がかかり他チームとの進捗の差に焦って開発を急いでしまった
  • 上記によりレビューが甘くなり、終盤に大量のバグが発生
  • 技術だけでなく技術以外でも未熟さを痛感したチーム開発だった

質疑応答

  • SPAのように作るにあたって(フロントエンドとバックエンドの繋ぎこみで)苦労したことは?
    • フロント側でインタフェースを決めて、フロント側でとにかく頑張ったw
  • ターゲティングが凄い、が、シニア層的には文字が小さい(笑)、文字サイズを選べたりするとよりよい
  • 対象年齢の絞り込みは、どのように実装している?
    • 商品テーブルに対象年齢を持っており、インプットの範囲のデータを表示している

総評

講師より

研修期間中、全員が努力していて、積極的に学ぶ姿勢がありました。
全員が能動的で、学習意欲も高く、定期的なテストの点数も例年と比較し非常に高い結果となりました。
最後のチーム演習では、最初にコンセプトを決めそのコンセプトに沿って機能を考え、スケジュールを立てて開発を行う進め方をしていたチームが多かったです。
そのため、8日間では間に合わないと思われるような機能開発にも着手していました。それもよい経験だったと思います。
また、研修で使用していない技術もふんだんに使用していました。

講師に対してのみならず、同期に対しても気遣い、挨拶ができ、個々のレビューに対してもお礼が言えるといったような、技術だけでなくヒューマンスキルの部分も素晴らしかったです。
総じてレベルの高い形で研修を終えることができたと思います。
とは言え、今回学んだ技術はまだまだ氷山の一角なので、今後も継続した努力に期待しています。
配属先でも間違いなく活躍できると思うので、今回の研修を糧に頑張ってください。

東京開発統括部 統括部長:間澤より

皆さんお疲れ様でした。研修楽しかったですか?
開発は楽しいものです。 開発に限らず、できないことができるようになる経験って楽しいですよね。
仕事もそうです。
ラクスは国内SaaSのトップを走っている企業です。
たくさんの製品を扱っているのでその楽しさももちろんあるけど、責任もあります。
責任があるからこそ、刺激的な楽しみもあります。
不具合が起きたらめちゃくちゃ焦るけど、皆さんなら絶対に乗り越えられます。
チームで協力することで、楽しく利益を獲得して品質の高いサービスを作っていきましょう。
今回の研修でも、AチームとCチームはコンセプトがしっかりしていてユーザビリティが高いサービス、Bチームは技術に特化したりと、それぞれが強みを活かしてよいサービスを生み出しました。
皆さんの力を合わせるとよりよいものが作れるという経験が研修を通して実感できたと思います。
その楽しさを忘れずに、配属先でも頑張ってください。期待しています。

開発本部 本部長:公手より

発表とてもよかったです。
ユーザビリティ、技術、ターゲットを絞り切る等、各チームの方向性が見られました。
特に、ビジネスはターゲットを絞るのが大事なので、新卒でそういった視野が持てているのは衝撃でした。

今日皆さんに伝えたいことは2点あります。
まず1点目。
エンジニアは積み重ねの職業、日々学習し続けるのが宿命付けられているもの、と思ってください。
業務時間だけコードを書いていれば優れたエンジニアになれるわけではありません。
ラクスのトップエンジニアも、若い頃からも、今も、常に勉強しています。
とは言え、プライベートももちろん大事なので、バランスが大事。
最初は難しいと思うけど、だんだんうまくなっていきます。ぜひ皆さんにも身につけて欲しいです。

次に、2点目。
開発はチームで行うもの。それを忘れないでいてほしいです。
今後楽しいこともたくさんあるけど、苦しいこともたくさんあると思います。
ただ、苦しいことも仲間がいれば必ず乗り切れるので、周りを頼ってチームに相談してほしいです。
管理職も若い頃は、皆さんと同じ。苦しみながらいろいろ乗り越えてきて今があります。
皆さんが今後苦しむであろうことは大体経験しているはずなので、気軽に相談してほしいです。

最後に、僕がずっと言い続けている『楽しい職場を作る』を、ぜひ皆で実現させましょう。

まとめ

新卒エンジニアの成果発表会の様子をまとめさせていただきました。
わたしも実際に発表を見学しましたが、コンセプト決め〜デザイン、実装までの工程を僅か8日間で行ったとはにわかに信じられないほどクオリティの高いWebアプリケーションとなっていました。
コンセプト、独自機能、デザイン、発表内容それぞれにチームのカラーがあり、チームが「掛け算」であることを実体験として感じられたことと思います。
今回の経験を活かし、配属先でもチーム力を活かしてぜひ活躍していってほしいです。
また、新卒で入った会社の同期は一生物だと思うので、お互いに切磋琢磨しながら高め合ってくれることを期待しています!

最後までお読みいただきありがとうございました。
引き続き、ラクスをよろしくお願いいたします!


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