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認定スクラムマスター研修から始まるジャーニー

こんにちは。堀内(id:yhoriuchi)です。 弊社が日頃からお世話になっている株式会社アトラクタ様が開催された認定スクラムマスター研修を受講してきました。講師はGabrielle Benefieldさんで、ジェフ・サザーランド博士が率いるScrum Foundationの共同設立者でもある方です。

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Gabrielle Benefieldさん

研修内容が非常に素晴らしかったため、少しでもご紹介できればとの思いで研修の簡単な紹介、学んだこと、現場でやってみたことをお伝えしたいと思います。

研修概要

スクラムマスター研修は2日間のコースです。Gabrielleさんがメイン講師で、株式会社アトラクタの原田さんが研修をサポートする体制で行われました。 基本的に研修は英語ですが、プロの通訳の方が同時通訳を行いながら進行します。要所要所で原田さんがご自身の経験や考え方を交えた補足を行なって(日本語)くれましたので、スクラムを学ぶ上でこれ以上ない講師陣だったと思います。

研修の始まり

研修が始まるとGabrielleさんから「全員と握手」するように言われます。40人ほどの参加者が部屋を歩き回って全員と握手するというワークショップ(?)です。初めて顔を合わせる人たちばかりでしたが、最初に握手をするだけで後の研修が非常にやりやすくなったと感じています。スクラムマスター研修は多くのワークショップが取り入れられた内容になっているので、こうした心理的な障壁を最初に取り除く行動は研修そのものの効果を上げることにつながりました。

次のワークショップ:ピンポン玉回し

研修生が20人ずつくらいの2チームに分かれ、ピンポン玉を特定の時間内に落とさず手渡しで何個回せるか、という簡単なゲームをしました。2チーム同時に始めて優劣を競うのですが、チームごとにやり方が違うため、当然のように差が出ます。その後、一方がもう一方のチームのやり方を観察して自チームのやり方を見直し、改善するということを行いました。この時一番驚いたのが、相手チームを観察して良かったやり方をそのまま真似るのではなく、私が想像していた以上の改善が行われ、無駄がそぎ落とされた方法に一瞬で進化したことでした。観察して振り返り改善することの重要性に気付かされたその時の衝撃は今でも忘れることができません。

やり方は違えど、以前 吉羽さんに社内で実施して頂いたスクラムトレーニングで伝えようとしていたことが改めて理解できた気がします。

色々端折りますが

その後はスクラムの全体の流れを説明頂いたり、チームに分かれてワークショップを行ったりしてスクラムの理解を深めました。

疑問があれば随時質問を行うこともでき、貴重な意見やアドバイスを受けることができます。知識としてのスクラムだけでなく、多くの現場を見て改善されてきた知見を持つ講師からのアドバイスは心に突き刺さるものがあります。私が質問をした回答の最後に、Gabrielleさんが "Good luck"と言ってくれたのは今でも心の支えとなっています。

学びを実践で試すと更に学べたこと

研修に参加すると、不思議と勇気と自信が湧いてきます。そのまま自社に学びを持ち帰り、一番試してみたかったことを早速試してみました。それが「他チームを観察する」です。タイミング的に他チームを観察することが難しかったため少し工夫して、他チームのスクラムマスターをやっている id:radiocat に自チームの振り返りのファシリテーターをお願いしました。

「人は鏡」といった言葉があるように、人は人との対話を通じて自身の内面に気付かされることが多くあります。スクラムの振り返りでの開発チームとファシリテーターという関係性から考えて、チーム外の人がファシリテーターを行うことにより、自分たちのチームが外からどのように見えているのか気付かされ、新たな改善や行動につながることに期待していました。

結果は思っていた以上のものでした。

開発チームメンバー個別に振り返りの感想を聞いてみたのですが、全員が口を揃えて同じことを言っていたのです。それが

「1週間で課題(problem)が多いのは正常なのか?」

という質問があったということでした。振り返りにKPTを利用しているのですが、“P”に上がる項目が多いように外からは見えるというチームへの見事な問いかけだったんだなと思いました。

感じ方は人それぞれあるようですが、この質問がチームにとって大きな意味があり、各自が深く考えるきっかけを与えてくれました。

更には、他チームの振り返りをファシリテートすることでファシリテーター自身も多くの気づきがあったようです。
下記がその一部。

  • チームの関心事によって出てくるものが全く違う。
  • 振り返りのファシリテートはすごく重要で、すごく難しい。
  • チームが課題と感じているところを察知して石を投げ込まないと意味がない。
  • 振り返りはプロセスの改善の場であると他チームの課題感を通して改めて認識することができた。

これらを聞いて私自身も学べることが多く、この一連の行動から学びで学びを繰り返すのだと気づかされました。今後はチームとしての学びを最大化するためにもスクラムマスターとしての学びは尽きることがないと気を引き締めた次第です。

そしてその先へ

認定スクラムマスター研修を受けると、認定スクラムマスター(CSM)になるための受験資格がもらえます。オンラインで受験できるのですが、私も無事合格することができました。CSMは資格取得して終わりではなく、むしろ果てしなく続ける旅路の始まりだと思っています。このような研修の機会を作ってくれた株式会社アトラクタ様や自社にも感謝しつつ、これからもスクラムチームを支援していきたいと思います。
ジャーニーは始まったばかりです。

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