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TechCafeができるまで〜コミュニティを育てる難しさ

id:radiocat です。先日ご紹介したとおり私たちは大阪オフィスで『Web×PHP TechCafe』という新しいイベントをスタートさせました。今回はこの流れに至るまでのコミュニティ運営についてご紹介します。

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もともとは『もくもく勉強会』としてスタートしたイベントでしたが、様々な試行錯誤や葛藤の末に今の形にたどり着きました。今回はその振り返りと新たなスタートの意味で 「 Web × PHP TechCafe Advent Calendar 2019 」の記事として書くことにしました。同じようなイベントやコミュニティに関わる方々の参考になれば幸いです。

チームの仲間に呼びかけてイベント立ち上げ

スタートは2018年のオフィス移転でした。このとき、念願がかなってオフィス内にセミナールームとして活用できるスペースを作ってもらうことができました。

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特に目指すべきゴールなどは設定せず、ただやってみたいという思いで当時のチームメンバーに声をかけてスタートしました。実際に運営側として取り組んでみると、それまで参加側では気づけなかったことに色々と気づきました。スタートした最初の数ヶ月で当時気づいたことをいくつかご紹介します。

タイトルに大阪・梅田を入れる

我々は connpass を使って参加者を募集しています。人口比率的に東京を中心としたイベントが多いので、大阪・梅田で開催することをなるべくわかるようにしなければ、認知すらしてもらえませんでした。そこでタイトルに「大阪・梅田」という開催場所を入れるようにしました。これは関西や他の地方のコミュニティの多くで実践していることだと思います。

枠数と席の配置を考える

実際の参加者に対して多すぎず、少なすぎない枠を予測して設定するほうが良いとわかりました。余裕を持って確保しすぎるとガラガラな寂しい状態になり、枠を絞りすぎると参加を見送る人が出てくる可能性もあるので、毎回予測を立てながら最低限のスペースや席を確保してスタートし、エントリー状況を見守りながら最終的なスペースや席を決めています。私たちのイベントはただ黙々と勉強するだけではなく、参加者同士の交流も大切にしたいため特に気をつけています。

お菓子を置く

一般的に、食べ物の存在は交流しやすい雰囲気を生み出すとよく言われているので、お菓子を確保してご提供するようにしました。小さくスタートしたこともあり潤沢に準備はできていませんが、よくある懇親会のような大規模なものではないので、もくもく勉強会のお供や参加者の交流に必要な量としてはバランス良く成り立っていると感じています。

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次回の募集を開始

毎月1回開催を決めており、気に入ってもらえた参加者のかたには次回も是非参加してもらいたいという思いで、開催当日には必ず次回の募集を開始し、開催を告知しています。

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立ち上げ成功、運営体制の強化

約半年間の取り組みの結果、毎回一定の方々に参加してもらえるようになり、社内でも認知されてきたため、各チームからイベント運営のメンバーを選出してもらい正式な体制を作って運営できることになりました。

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最初の3ヶ月の参加者数

社内ですでに実施していたMeetupなどの他のイベント運営とも連携して存在意義と活動範囲が拡大しました。

1年でモチベーション低下、マンネリ化

スタートしてから1年後、運営チームのふりかえりでモチベーションをタイムラインに表現してみたところ、全員が直近のモチベーションが下がり気味であることがわかりました。

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原因についてディスカッションしたところ、いくつかの課題が見えてきました。

社内の参加者とのギャップ

社内では比較的いつでも使えるスペースなので、社内の参加者は毎月決められた日程に合わせてわざわざ自主的な勉強会をすることにあまり強い動機がなくなってきました。

参加者と運営側のギャップ

運営メンバーはイベントを運営しながら技術的な情報交換をしたり、エンジニア同士の交流を行うことも強い期待を持っていました。そのためもくもく勉強会の自習要素が高まると、運営者は場のセッティングなどが中心になりマンネリ感が高まってしまいます。

そろそろ新しいことをやりたい

集まった運営メンバーはそれなりに意欲を持って集まっているので、毎回同じように運営するだけの状況に疑問を感じ始めていました。何か新しい要素を取り入れてもっと活動範囲を広げれないかと考え始めていました。

PHPのエンジニアが交差するTechCafeへ

これらの課題を踏まえて、運営していく我々にできることは何かをもう一度考えてみました。私たちの会社を当初からずっと支えてきたサービスはPHPで開発しており、PHPに関しては組織体制上、その技術はほぼ大阪に集中しています。曲がりなりにも20年近くお客様へサービスを提供しており、PHPに関してはある程度の強みを持てていると考えています。

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ラクスとPHPについて

これを踏まえて、私たちはただ単に勉強する場をご提供するだけでなく、もっと能動的に学びとなる場をつくっていきたいと考えました。

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TechCafeが支える領域

そして、その目的を言語化し「 PHPを軸としてエンジニアと技術が交差する憩いの場(カフェ)になる 」というコミュニティのコンセプトが生まれました。

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Web×PHP TechCafeのコンセプト

まだまだスタートしたばかりで、引き続き試行錯誤が続いていますが、いくつか新しく始めた取り組みを紹介します。

ディスカッション枠

先月はPHP 7.4の新機能について興味を持った人が集まってその仕様を把握したり、使い方やメリット・デメリットなどをディスカッションしました。思った以上に盛り上がって、次回も継続する予定です。なお、これらの情報はコミュニティ専用の Slack でも共有しています。

LT枠

また、5分のLT枠も作りました。特にテーマは決めず、普段参加して頂いている方の成果発表やアウトプットの機会として頂きたいと考えています。

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コミュニティ間コラボ

その他、関西でPHPを扱っている他のコミュニティともコラボしてPHP界隈を盛り上げていきたいと考えています。コミュニティ関係者のかたでご賛同いただけるかたがいらっしゃればぜひご連絡をください。

色々と新しいことに取り組み始めた段階で、ひとつひとつはまだまだ小さな取り組みですがこれから拡大していきたいと思います。PHP好きのみなさんよろしくおねがいします。

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