RAKUS Developers Blog | ラクス エンジニアブログ

株式会社ラクスのITエンジニアによる技術ブログです。

【2022年3月期】ラクス開発部門トップが語る、エンジニアリング組織で取り組んだこと

こんにちは。
ラクスの開発組織を統括している開発本部長の公手(くで)です。

先月2/8に記念すべき第1回「RAKUS Tech Conference 2022」を開催致しました。
多くの社外のエンジニア様にご参加していただき、大変ありがたく思っております。
そのオープニングセッションでラクスのエンジニア組織について発表させていただきました。

speakerdeck.com

ラクスのエンジニアも何名か聞いてくれており、
「もう少し頻度上げて開発組織全体の取り組みを社外に公表していっても良いのでは?」
というフィードバックもあったことから、早速ラクスのTechブログに投稿してみることにしました。
今後も、不定期ではありますが、投稿できればと思っています。

以下、「RAKUS Tech Conference 2022」のレポートも是非ご確認ください。
tech-blog.rakus.co.jp

開発本部の本年度(2022年3月期)の取り組みについて

ラクスの決算期は3月末です。
本年度もあと1か月を残すのみとなりましたが、本年度に重点的に取り組んだことについて書いてみました。
ラクスの開発本部では、毎年9月から部門ごとに翌期の取り組みについて考え始めます。
その後、12月に各部のエンジニアリングマネージャーが集い、翌期の重点取り組み事項を決めます。

基本的には会社の5か年の中期経営計画に合わせて、5か年の組織ロードマップや技術ロードマップを作成しています。
ラクスの中期経営計画については以下のIR情報をご覧ください。
www.rakus.co.jp

そのロードマップには、5年後の到達地点から逆算して1期目~5期目の取り組み事項が描かれています。
9月からの作業は、内外の状況の変化などもあるため、ロードマップをアップデートし、翌期にやることを具体化していくといったことになります。

ラクスの開発本部は250名の組織であり、20以上の課やチームが存在します。
それぞれの組織で、現場の要望、共通課題などをリストアップし、エンジニアリングマネージャーたちが各組織のロードマップを作成しています。
さらにそれらを俯瞰し、抽象化して、開発本部全体の組織ロードマップを作成します。
ロードマップに書かれている翌期の取り組みの中から、より重要なもの、開発組織全体に関わるものを 選び出して重点取り組み事項として5~6つぐらいまで絞り込んでいます。

昨年掲げた、今期の重点取り組み事項は以下の6項目でした。

《今期の重点取り組み事項》

  1. エキスパート人材の育成・強化 
  2. プロダクトマネジメント機能の強化
  3. 新しい技術の習得 
  4. 組織ブランディング
  5. オフショアの強化
  6. データセンター移転

今回は、これらのうち、3点を取り上げ、当社の課題感などを共有できればと思っています。
 

1.エキスパート人材の育成・強化

実はラクスは一つのプロダクト開発組織がそれほど大きくなく、(多いチームでは50名を超えるぐらい)、10名~20名ぐらいで開発しています。
数年前はさらに少人数で開発をしていました。
その時代は、どちらかというとバックエンドもフロントエンドもできてプロジェクトマネージャーもできて要件定義等の上流工程もできるという、全方位に活躍できるようなエンジニアを育成したり、求めたりしていました。
しかしながら、このように何でもできるエンジニアというのは育つのに時間もかかりますし、そういった志向のエンジニアが必ずしも多いわけでもなく、採用も難しいです。
組織の人数を増やしていく必要性から、役割の分化が必要であるということに少し前から気が付きました。
そこで、各領域・領域のエキスパートを育てたり、採用したりする方向に変わってきました。
エキスパートになるために必要とされるスキルセットをまとめ、再現性のある育成プランを作っていく、取組を1昨年前より始めています。
今期も継続して取り組んでおり、一定の成果が出てきています。
具体的には以下のようなエキスパート人材の採用や育成に取り組みました。

  • プロジェクトマネージャー
  • ドメインのエキスパート
  • フロントエンドエンジニア
  • モバイルエンジニア
  • QAエンジニア
  • ブリッジSE
  • インフラコア技術(オンプレ仮想化)のエキスパート

など。
まだまだ各領域で不足感はあるものの、育成が進み、採用による増員もできました。

2. プロダクトマネジメント機能の強化

プロダクトは成熟してくると、何を開発するのかが非常に難しくなってきます。
例えば、市場に後発で投入したプロダクトは、当面は他社と勝負できるように劣後点をつぶしていく必要があり、開発すべきことは山ほどあります。
また、PMFを達成した後は、顧客からの要望が一気に増え、顧客の要望満たすための開発が当面続きます。
しかしなら。数年も経過すると製品も成熟してきて、お客様の要望も少なくなってきます。
こうなってくると、今度は何を開発するか考えることが難しくなってきます。
ラクスの場合も、リリース後10数年経過したサービスではその領域ではトップシェアを誇り、機能ラインナップでもほぼほぼお客様のニーズを満たせるサービスにもなってきています。
ただ、そこで終わってしまうとプロダクトの成長も終わるので、顧客が気付いていない潜在的なニーズを探し新しい付加価値を作って行くことになります。
いくつかの商材ではそういった新しい付加価値をどんどん生み出す力が不足気味です。
数年前から、組織としてプロダクトマネジメント力の強化に取り組んでいます。
今期は、プロダクトマネジメント担当者のつくり、プロダクトマネージャーの採用強化を進めるとともに、また、プロダクトマネージャーを強力に補佐ですべき役割であるUIデザイナの拡充も一定進みました。

3.新しい技術の習得 

クラウドサービスは、10年、20年と開発が続いていくサービスです。
ラクスでもメールディーラーでは18年、配配メールは15年、楽楽精算はで11年と続いています。
その間に、Webの技術はどんどん進化し、新しいことができるようになってきています。
しかしながら、進化の流れに合わせて新しい技術ををどんどん製品に取り入れられるわけではありません。

昨今、当たり前となったマイクロサービスであれば新技術投入はやりやすいですが、レガシーなアーキテクチャで開発を続ける限り、新技術に触れるたり検証する機会はどうしても少なくなっています。
しかしながら新しい技術は実際に振れて試してみないとなかなか身につきません。

組織として、どんどん後れを取っていきます。
また、いざ新サービスを立ち上げる時に、技術習得から入っているとリードタイムもさらに伸びます。 使ったことがない技術だから、、、ということで、稼働の制約などからも敬遠したりするようなことがありがちです。
※当社も過去に数度そういう選択をしてきました。リリースの速度感を考えると間違いだったとは思っていませんが、、、

そこでラクスでは、Webのデファクトスタンダートな技術、あるいはデファクトになり得そうな技術については、各プロダクト開発で使っていなくてもノウハウを習得しておくべきということで、数年前に、有志達により、「かみせん」というプロジェクトが発足し、週に一回数時間だけ集まっての小さな研究活動(というか技術習得活動)がスタートしました。
このプロジェクトで得たノウハウで、実際に新規サービスのリリースリードタイムに貢献出来たり、プロダクトが抱えていた問題の解決に役立ったりと小さいながらも一定の成果が見え始めました。
今では、その試みを推進する組織(技術推進課)に昇格させ、開発本部の組織的な取り組みとしています。
目新しいもの使ってみるという視点から、既存サービスの抱えている課題感を解決できそうかという視点で研究テーマも選定しています。
今期は以下のようなテーマに取り組み、このうち3件が来期のプロダクト開発に活用されることになりました。

  • 認証関連
  • コンテナオーケストレーション
  • 不具合の早期検知(APM
  • CSSプラットフォーム
  • サーキットブレーカパターン
  • ドキュメントDB
  • AI領域

来期も新しいテーマに向けて取り組んでいきます。

技術推進課の取り組みをまとめた記事です。
こちらも合わせご確認ください!**
tech-blog.rakus.co.jp

また、ラクスでは一緒に働いてくれるエンジニア・デザイナーを積極募集中です。
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お気軽にどうぞ。

では次回は残りの3つについて、ご報告できればと思います。


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    20210916153018
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