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初登壇に挑んだiOSDC Japan 2024の舞台裏

概要

2024年8月22日~8月24日に開催されたiOSDC Japan 2024に、登壇者として参加しました。
本イベントは、日本のiOSやSwiftエンジニア向けの最大級のイベントの一つです。
このレポートでは、このイベントでの登壇経験についてご紹介します。

プロポーザル提出

iOSDCで登壇するためには、プロポーザルを提出し、主催側からの採択が必要です。
募集要項にもあるように、iOSやSwiftに限定せず、エンジニアにとって興味深いテーマであれば何でも構いません。

弊社でも有志で応募することとなり、私はこのようなイベントに応募した経験はなかったものの、挑戦することで経験を得られると考え、以下の3つのプロポーザルを作成しました。
なお、iOSDCでは初めて登壇する方向けに5分間のルーキーズLTという枠が設けられており、私のような初心者でも気軽に応募できました。

  1. 近距離撮影の新常識!iOSカメラアプリ開発におけるピンボケ対策の最前線
  2. メモリ最適化を究める!iOSアプリ開発における5つの重要なポイント
  3. 実践!Flutter Add-to-app~既存アプリとの統合で見えたメリットと課題~

採択から練習会まで

締め切りから約10日後、2番目の「メモリ最適化」に関するプロポーザルが採択されたというメールが届きました。
メールのタイトルに「採択」とあり、正直2度見してしまいました。

その後、メールに記載されていた必要事項の入力、チケットの購入(登壇者は無料です)、トーク可否の登録を行いました。
※詳しい数字は公開できませんが、採択倍率はかなり高かったようです。

登壇資料を作成し、プレゼンの練習を進めていたところ、数日後にiOSDC Japan 2024 ルーキーズLT練習会の案内メールが届きました。
ルーキーズLTの登壇者向けに本番の機材で練習ができ、経験者からのフィードバックを受けられるということで、少し不安もありましたが参加しました。

練習会には、私を含め5名の登壇者と主催の長谷川さん、スタッフ約10名が参加していました。
スタッフに見てもらえると思っていましたが、長谷川さんから直接プレゼンのフィードバックをいただけたのは非常に有益でした。
この経験のおかげで、本番でも不安を感じることなく登壇できました。大変感謝しています。
※練習会は毎年開催されているようなので、ルーキーズLTに登壇する方には強くお勧めします。
ただし、カンペ無しで即座に登壇練習が始まるので、練習会の前に練習しておいたほうが良いです。

また、弊社のメンバーにも資料をレビューしていただき、大変感謝しています。
開催の一週間前からは1日2回、3日前からは1日3回程度プレゼンの練習を行いました。

当日

10:00頃に西早稲田の会場に到着し、受付を済ませると登壇者専用のネームプレートをいただきました。
私の登壇は17:55からだったので、17:00頃まで他のセッションを楽しむことができました。
※特に印象に残ったセッションについては最後に紹介します。

当日の案内としては「受付を済ませて、登壇する時間になったら会場に来てください」といったものでした。
緊張しながら会場に向かうと、ペンライトが席に敷き詰められており、「これは何だろう?」と思っていたところ、スタッフの方に「ペンライトの色は何色が良いですか?」と聞かれました。
よく分からないまま「赤色」を選びました。(私はゲームなどでキャラクターの目の色を赤にすることが多いので、ちなみにペンライトは登壇者応援用でした!)

PCの接続チェック(外部映像出力の確認や、音声再生の確認)を行い、いよいよ登壇の時が来ました。
私も含めて8名のルーキーズLT登壇者が順番に登壇し、私の番が来たとき、会場はかなり暗く、観客の姿はほとんど見えない状態でした。
そのため、自分の話に集中できました。
練習では約4分50秒の内容でしたが、当日は4分30秒未満で終わってしまい、もう少しゆっくり話しても良かったと感じました。

登壇の様子

感想

iOSDCはコミュニケーションを重視しているイベントで、企業ブースではエンジニア同士の交流が活発に行われていました。
また、登壇内容も参加者が真剣に耳を傾けており、登壇者と直接話せる場も設けられており、エンジニアとして非常に楽しく刺激を受けることができました。
そんなイベントに登壇できたことを非常に嬉しく思いますし、大変良い経験となりました。
来年も登壇できるかはわかりませんが、ぜひ応募し参加したいと思います。
※ただ弊社メンバーのご厚意で頂いた、たこ焼き引換券を使えなかったことだけが心残りです。

弊社メンバーがGETしたたこ焼き

良かった登壇内容

  • 複雑さに立ち向かうためのソフトウェア開発入門
    • ソフトウェア開発全体における複雑さにどう対処するかについて、脳の認知リソースやワーキングメモリの観点から説明されていました。
      タスクを細分化し、資料化して外に出す、チームメンバーに分散するなど、日常的に行っていることが脳の負荷分散に役立っていることがわかりやすく説明されていました。
      また、登壇者のshizさんの話し方が講師のようで、とても聞きやすかったです。
  • 月間4.5億回再生を超える大規模サービスTVer iOSアプリのリアーキテクチャ戦略
    • TVerが目指しているアーキテクチャの方向性についての説明でした。
      長期間のリニューアルはリリースが遅れるリスクがあるため、モジュール分割とフィーチャーフラグを活用して段階的に公開する戦略が特に印象的でした。
      審査が入るためリードタイムが発生するアプリのリリースにおいて、フィーチャーフラグで即リリースやロールバックを制御する手法は非常に有用だと思いました。
  • 快適な開発と高セキュリティを実現するCryptoKitを活用したCoreDataのデータ暗号化術
    • セキュリティを考慮したアプリ側で保持するデータの暗号化について、SQLCipherでのデータベース全体の暗号化や、CryptoKitでの個別データの暗号化など、実践的な手法が説明されました。
      また、暗号化の際の秘密鍵の管理方法として、KeyChainを使って機種変更時に新しく生成するというアプローチが推奨されており、納得できる内容でした。

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