はじめに
こんにちは、itoken1013です!
定期的に発信しています入門シリーズ、今回のテーマはEmacsの使い方です!
昔から多くの人から熱い支持があるエディタであるEmacsですが、使い方をマスターするととても便利に素早くコーディングが可能となります。
今回の記事を読んでいただき、ぜひ使い方を身につけていただければと思います!
インストール手順(Windows)
使い方の前に、まずはWindow向けのEmacsのインストール手順からです。
Catalina以前のMacもしくはLinuxを利用の方はEmacsはインストール済ですので、デフォルトの状態でEmacsを利用可能です。
このインストール手順をスキップし、次項の『前提知識』へ進んでください。
インストーラを入手する
まずはEmacsのインストーラのダウンロードからです。
今回は使い方の説明を優先するため、Windowsのスタンドアロン版Emacsをご案内します。
以下の公式ページにアクセスし、Windows項配下の nearby GNU mirror をクリックしてください。
バージョン別のEmacsが表示されます。
今回は執筆時点の最新版である「emacs-27/」を選択します。
次にインストーラは「emacs-27.1-x86_64.zip」を選択します。
ダウンロードが完了しましたら、Windowsの任意のツールを使って zipファイルを解凍します。
特にこだわりがなければ、Windowsでよく使われる Lhaplus や7-Zip などでよいでしょう。
インストールを実施する
次にインストールを実施します。
解凍したフォルダにアクセスし、binフォルダ配下の runemacs.exe を起動してください。
起動後、こちらのウィンドウが立ち上がれば、インストール完了です!
これで無事にEmacsが起動し、Windowsでも使い方を学ぶ準備ができました。
インストール手順(Mac)
Catalina(macOS 10.15)からEmacsはMacに同梱されなくなりました。
このため、利用にはアプリケーションのダウンロードが必要になります。
詳細はこちらをご確認いただき、セットアップをお願いします。
前提知識
それではさっそく使い方を説明していきたいのですが、まずは前提知識と用語を説明させてください。
Emacsは他のツールとコマンドの表記が異なる点もあり、前提知識を踏まえた方がスムーズに使い方を理解できるはずです。
コマンドの表記
公式ページや各種リファレンスのコマンドは、Emacsに初めて触れる方には見慣れない表記となります。
本記事も表記内容を揃えて掲載しますので、以下の点は使い方を読む前に理解してください。
C-x
『Ctrl を押しつつ 、x(任意のキー)を押す』を指します。
C-f であれば『Ctrl を押しつつ f を押す』、C-g であれば『Ctrl を押しつつ g を押す』となります。
(WindowsだとCtrl、Macではcontrolに読み替えてください)
最初は表記内容と使い方と結びつけるのが大変ですが、何度か練習すると慣れてきます。
M-x
C-x と混同しがちですが、こちらは『ESCを押した後、x を押す』 または『Altを押しつつ、xを押す』を指します。
MではなくESCもしくはAlt、またESCだとC-xと違って「押した後」である点に注意してください。
(ちなみにMとは現行のキーボードに存在しない「Metaキー」に由来しており、ESCキーがMetaキーの代替を担っています)
Return
Macには存在しますが、WindowsではEnterキーを指します。
バッファ
Emacs上でファイルを開いている領域を「バッファ」と呼びます。
このバッファと呼ばれる領域上にファイルを読み込み、Emacs上で編集した内容をファイルに書き込む流れでファイルを更新していきます。
Emacsでは同時に複数のバッファを開くことができ、表示するバッファを切り替える操作ができます。
ウィンドウ
ファイルを開いた際に、テキスト内容が表示されるEmacsの領域を指します。
ミニバッファ
Emacsを起動した際、コマンド入力やメッセージが表示される領域を指しています。
上述のバッファと混同しないよう、ご注意ください。
基本的なコマンド
それでは一般的なテキストエディタとして必要なEmacsの使い方を説明していきます。
最低限必要なコマンドと使い方を以下に示しますが、説明を読むだけでなく、Emacsを立ち上げて一緒に操作してみると使い方を早く身につけられるはずです!
No | コマンド名 | 用途 |
---|---|---|
1 | emacs | Emacsを起動する |
2 | C-x → C-f | ファイルを新規作成する |
3 | C-f | 右に移動する |
4 | C-n | 下に移動する |
5 | C-b | 左に移動する |
6 | C-p | 上に移動する |
7 | C-d | 文字を削除する |
8 | C-x → u | 変更の取り消し |
9 | C-x → k | ファイルを閉じる |
10 | C-x → C-f | ファイルを開くする |
11 | C-x → C-s | 上書き保存する |
12 | C-x → C-c | Emacsを終了する |
13 | C-g | コマンドを中断する |
Emacsを起動する
Windowsの場合、インストール時に指定したrunemacs.exeをダブルクリックすることで起動完了です。
Macの場合、ターミナル上で「emacs」を入力してください。
ファイルを新規作成する
まずは練習用に編集するファイルを作成してみましょう。
Emacs上で『C-x』の後に『C-f』を入力してください。
最下段(「ミニバッファ」と呼びます)に現在のディレクトリが表示されますので、今回は「emacs.txt」というファイル名を入力してみます。
ファイル名を入力後、バッファ上に「emacs.txt」というファイルが作成されます。
移動する(上下左右)
まずは通常のテキスト入力の要領で、以下の3行を入力してみましょう。
初心者でも分かる Emacsの使い方 Windowsのインストール手順・コマンド一覧付き
次にファイル内のカーソル移動です。
Emacsでは矢印キーでもカーソル移動が可能ですが、ホームポジションから手を離すこととなるため、編集時にタイムロスが発生がちです。
対して以下のキーを使うことにより、ホームポジションにステイしたままで素早くカーソル移動ができます。
それぞれ試してみてください。
- 右/C-f ※f はForward
- 下/C-n ※n はNext line
- 左/C-b ※b はBackward
- 上/C-p ※p はPrevious line
文字を削除する
文字の削除も通常のテキストエディタ同様、BackspaceとDeleteキーで可能です。
ただ矢印キー同様、ホームポジションから離れずに実現するには『C-d』を使うことで現在カーソルがある文字を削除することが可能です。
試しに最後の行を削除してみましょう。
Undo(変更の取り消し)
先ほど削除した行を復活させるためには、『C-x』の後に『u』を打つことで直前の変更を取り消すことができます。
ファイルを保存する
それではこのファイルを保存してみましょう。
ファイルの保存には 『C-x』の後に『C-s』を打ちます。
これでバッファの内容が新たに作成されたファイルに記録され、エクスプローラからもファイルが確認できるはずです。
ファイルを閉じる
正確にはバッファーを閉じることを意味しますが、編集中のファイルを閉じてみましょう。
『C-x』の後に『k』を打つと、ミニバッファ上に『Kill buffer(default emacs.txt)』と表示されますので、「emacs.txt」を入力の上、Enterを押下してください。
これでバッファーを閉じることができます。
この際、未保存の場合には追加で yes か no の選択を求められますので入力の上、Enterを押下してください。
この後、Emacsを起動した際の画面に戻れば、保存完了です。
ファイルを開く
ただいま閉じたファイルをもう一度開いてみましょう。
『C-x』の後に『C-f』でファイル検索ができますので、「emacs.txt」を指定してください。
上書き保存
「emacs.txt」が無事に開けましたら、今度はファイルを編集し、上書き保存してみましょう。
末尾を改行して「編集しました」と加えた後、『C-x』の後に『C-s』で上書き保存を実施します。
ミニバッファ上に「Wrote ・・・・ / emacs.txt 」と表示されれば、上書き保存が完了しています。
Emacsを終了する
最後にEmacsを終了するコマンド『C-x』の後に『C-c』です。
ファイル編集後に保存していない場合にはミニバッファ上にメッセージが表示されますので、必要なキーを入力してください。
入力後、Emacsのウィンドウがクローズされれば完了です。
困った時の中断コマンド
ハンズオン形式でEmacsのコマンドを説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
途中でコマンドを打ち間違えたり、謎の文字列が表示されたりして戸惑う方もいたかと思います。
そんな時のお助けコマンドとして、『C-g』で実行中のコマンドを中断することができます。
コマンド入力後、ミニバッファには「Quit」が表示されます。
より上級的な使い方でもこの中断コマンドは使えますので、身につけていただければと思います。
その他のコマンド一覧
ここまで簡単なテキスト編集に必要なEmacsの操作を説明してきました。
より応用的なコマンドと使い方は以下にまとめてありますので、こちらも実際にEmacsを触りながら手に覚えさせていただければと思います。
No | コマンド名 | 用途 |
---|---|---|
1 | C-スペース | 範囲選択 |
2 | M-w | コピー |
3 | C-w | カット |
4 | C-y | ペースト |
5 | C-a | 行頭に移動する |
6 | C-e | 行末に移動する |
7 | M-< | 先頭に移動する |
8 | M-> | 末尾に移動する |
9 | C-p | 1行上を移動する |
10 | C-n | 1行下を移動する |
11 | C-s | 文字列の検索 |
12 | M-% | 文字列の置換 |
終わりに
超入門ということで最低限なコマンドの使い方を紹介しましたが、利用イメージを持ってもらえましたでしょうか?
Emacsを使い方を身につけることで開発効率を爆速化することができます。
Windowsは最初のインストールだけが少し手間ですが、インストールの手間を大きく上回るリターンが得られることでしょう。
また今回は触れませんでしたが、Emacsではブラウザなどの各アプリケーションを操作するなどの使い方も可能です。
ぜひ使い方を体に馴染ませて、Emacsをマスターしていってください!
それでは~!
今回引用させていただきました記事はこちらです。
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