
こんにちは、プロダクト部 部長の稲垣です。(自己紹介やこれまでのキャリアについて↓をご覧ください。) tech-blog.rakus.co.jp
- ■ 「Noを伝える技術」の感想
- ■ イエスと言って「誠実に合意形成する」ための技術とは?
- ■この技術の良いところ
- 📝 まとめ:本気で向き合う姿勢が、結果的に“ノーを機能させる”あるいは“イエスのコミットメントをあげる”
■ 「Noを伝える技術」の感想
先日出版された『Noを伝える技術 プロダクトマネージャーが教える「敵を作らずに断れるようになる」作法』について触れたいと思います。
この書籍は、PdM界隈では知らない人はいないと言われる「Noを伝える技術 #pmconf2021」の登壇内容をもとにしています。
ただし登壇は20分、スライドは25枚ほど。
一方で書籍は、内容がより広く深く、そしてプロダクトマネージャーに寄り添った実践的な話が多く収録されています。
私は2021年8月にPdMを名乗り始め、pmconfを知ったのは2023年頃。登壇の存在もそれと同時でしたが、それだけ有名で、そして現場で刺さる内容です。本書で印象的だった一文があります。
『良かれと思ってやったこと』が積み重なった結果、まったく望まない方向に進んでしまうことがある
私はこれを何度も見てきましたし、自分自身も経験してきました。
だからこそ「Noを伝える」技術は、どの会社・どの立場でも必要で、多くの人が“心ではNO”と思っていることを言語化できるようになることは大きな価値があります。
ちなみに私は、読書の際に必ずメモを取るのですが、この書籍は2025年に読んだ約100冊の中でも、かなり上位のメモ量でした。
最近はこのメモをまとめて社内展開することで、書籍を読む文化を作ろうとしています。…と、思ったより書籍の話を書いてしまいましたが、ここからが本題です。
私自身が現場で使ってきた“イエスと言って「誠実に合意形成する」ための技術” を紹介します。
タイトルにもある通り、私がよく使うのは——
まずは「イエス」と言う。 そして、事実を積み上げることで"イエス”か"ノー"か相互に合意形成をしていく方法です。これを進めると自分から“ノー“と言う前に相手が“ノー“というケースもあります。
という方法です。
■ イエスと言って「誠実に合意形成する」ための技術とは?
前職はわりとハードなベンチャーでは「イエスかハイかどっち?」と言われるような環境でした。ベンチャーでは珍しくない話ですが、この環境では「ノー」を直接言うと、話がややこしくなることがあります。
特に相手が強い自信を持っている提案や依頼に対して、正面からノーを言うのは得策ではありません。
ひどい場合、もしその後うまくいかないと「最初にノーと言ったせいだ」「本気でやっていなかった」とさえ言われかねません。
そこで生まれたのが、次の方法です。
① まずは「強いイエス」を返す
相手が自信満々のときに正面からノーを言っても勝てません。なので私はまず、あえて 力強いイエス を返します。
- ✔ 「いいですね、やりましょう」
- ✔ 「確認します。まず真剣に調べます」
“乗り気である”姿勢を見せることで、相手はこちらを信頼し、前向きに期待してくれます。
② ただし、本当にやるのは「徹底的なリサーチ」
イエスと言ったからには、最初に本気でリサーチします。
経営者の直感はまとはずれなことは少ないです。 調べてみると、想像以上に価値があることも多い。しかし、深掘りしていくと…
- 大きなリスク
- 想定外の障害
- 無謀さを示すエビデンス
が出てきます。
③ そのまま“事実として”レポートする
ここが最重要ポイントです。私は、そのリサーチ結果を淡々と報告します。
- ✔ 依頼を本気で実行しようとした際に見えてきたリスク
- ✔ プロジェクトを阻害する障害
- ✔ 実行時の工数・コスト・競合状況
- ✔ 成功確率が低い理由(エビデンス付き)
“やらない理由”ではなく“本気でやるにはここが問題です”
というスタンスで伝えるのが大事。
④ 相手は自然と「今回はやめるか」と判断する
ここまで来ると相手は、
「これは一度立ち止まったほうが良いかもしれない」
と自分自身で判断してくれます。つまり、私がノーと言うのではなく、 相手がノーと言ってくれるのです。
しかも、こちらは“最初にイエスと言っている”ので、関係性にマイナスが一切ありません。 むしろ信頼が高まります。また、仮にそれでもやるとなった場合には、最初に「ノー」と言わず進めるべきものだったのだと思います。
■この技術の良いところ
① 相手との関係性が傷つかない
最初に前向きに受ける姿勢を示すので、否定の空気が残りません。
② 事実ベースの議論になる
感情論ではなく、リスク・データ・実態という“事実”で判断できます。
③ 意外な「価値の芽」にも出会える
本気でリサーチすると、 「これ、いけるじゃん」「思ったより価値あるな」というケースもあります。
④ 結局は“やるべきこと”だけが残る
取り下げられなかったものは、本当にやる価値があるものだったと後からわかる。
📝 まとめ:本気で向き合う姿勢が、結果的に“ノーを機能させる”あるいは“イエスのコミットメントをあげる”
私はこの方法で、多くの場面を乗り切ってきました。
そして副産物として、依頼者からの信頼が下がることはありませんでした。どんな提案でも本気で向き合う。そして事実で会話する。
この姿勢が、もっとも健全で、もっとも誠実な「ノーの伝え方」になると感じています。
ぜひ皆さんも、機会があれば試してみてください。
また、記事を読んでラクスのプロダクト部に興味を持ってくださった デザイナー/PdM の方 は、ぜひカジュアル面談からご応募ください。
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