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9年間の取り組みから学んだ変化の波をノリこなす3つのステップ ~デブサミ2020関西登壇レポート #devsumi

id:radiocat です。2020年8月27日に開催されたDevelopers Summit 2020 KANSAIに登壇させていただきました。今回はそのレポート記事です。

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セッションの様子

Developers Summit 2020 KANSAI について

Developers Summit」通称「デブサミ」は翔泳社さん主催のIT技術者向けイベントです。近年は東京で夏と冬、そして関西と福岡で年1回開催されています。今回は関西で開催されて記念すべき10周年となったイベント「デブサミ関西」で登壇の機会を頂きました。

event.shoeisha.jp

今回のテーマは「The Future Has Come」ということで、少し先の未来の「変化」の到来に関するチャレンジをシェアしようという思いが込められたテーマでした。私も大阪オフィスで9年間勤務して様々な変化にチャレンジしてきました。貴重な機会を頂いたので、9年間の取り組みを可能な限り盛り込んで発表させて頂きました。

関西的なノリで変化の波をノリこなすチームの取り組み

speakerdeck.com

チームでの変化へのチャレンジのこれまでの経験を振り返ってみて、大切な要素のひとつが大阪のチームならではの「関西的なノリ」なのではないか?と考えたことが今回のテーマのきっかけです。もちろん、関西のノリがなければ変化に適応できないという意味ではありません。「関西のノリの中に変化に適応していくヒントがあるのではないか?」、「過去の経験を振り返ってそのヒントを整理してみたい!」という思いが、デブサミ関西に向かううえでの私自身のチャレンジでした。

基本的に不確実な変化の波を乗りこなすのは難しい

そもそも変化の波を乗りこなすのは簡単ではありません。大阪では2018年に地震、豪雨、台風と、1ヶ月おきに災害が発生して、出勤できないなどで仕事の予定を調整せざるを得ない経験をしました。私自身、地震が発生した日は当時担当していたサービスのリリース当日で、たまたま出勤できたメンバーとリモートでやり取りしながら対応した経験があります。

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2018年の関西

不確実な波を乗りこなすために、世の中に溢れているアジャイルの手法やマネジメントの事例を取り入れようとしますが、それもなかなかうまくいきません。変化の波を乗りこなすつもりが、気づいたら情報の波の乗りこなそうとしてしまい、溢れる情報のより複雑な渦に飲み込まれてしまうこともあります。

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情報の波は複雑性の渦を呼び込む

ノリで変化の波をノリこなす

不確実な波に抗わず、困難な状況に向き合って起きたことに対処するためには、「状況の洞察」と「ポジティブな姿勢」が大切だと考えました。これこそが今回のテーマである「ノリ」です。

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ノリは「状況の洞察」と「ポジティブな姿勢」

変化の波をノリこなす3つのステップ

ノリで変化の波を乗りこなし続けるには、3つのステップでノリを広げていくことが大切です。この3つのステップをこれまで経験してきた事例を交えながらご紹介しました。

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変化の波をチームでノリこなす3つのステップ

自分らしさのリーダーシップ

まず最初のステップが、チームで働く土台として一人ひとりが自分らしさのリーダーシップを持つことです。これは近年のリーダーシップ論で「オーセンティック・リーダーシップ」と呼ばれています。

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オーセンティック・リーダーシップ

チームの中で互いに自分らしさを持ちつつ、他者を理解しあう取り組みの事例として、以前このブログにも投稿したリモートワーク時の取り組みを「自己開示と安心・安全な仕組みに身を預ける」という2つのポイントでご紹介しました。

tech-blog.rakus.co.jp

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自己開示と安心・安全な仕組みに身を預ける取り組み

チームで経験から学ぶ

2つ目のステップの「チームで経験から学ぶ」については「アジャイルの原則」「カイゼン文化」「ありたい姿」の3つを軸にすることをお話しました。

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経験から学ぶチームのモデル

これは Scrum Fest Osaka 2020で発表させていただいた内容 を引用していますが、今回は大阪のチームで過去に経験した開発プロジェクトを一通り振り返ってお話しました。

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大阪のチームで経験した開発プロジェクト

過去の開発プロジェクトの反省点を突き詰めればアジャイルの原則に向かうことは認めつつも、予測できない様々な変化の波を乗りこなしていくためにはアジャイルの手法だけにとらわれず、チームが経験から学ぶ方向に向かうことが変化を乗りこなすことにつながると考えています。

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イテレーティブなプロセスを繰り返して経験から学ぶ

枠を超えてつながる

3つ目のステップの「枠を超えてつながる」では、小さく始めた社内勉強会が組織や会社全体を巻き込んだイベントへと発展した事例をご紹介しました。

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勉強会イベント主催の様子

変化の波の中で自分たちも変化していくために、少しずつ枠の外に向かっていくことが変化の波を乗りこなすことにつながるという内容です。

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枠を超えてつながるノリの大切さ

枠を超えることよにって、つながった人たち同士で継続的な相互アップデートを生み出すことができました。

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枠を超えたつながりによって得られたこと

以上の3つのステップを外側に向けて広げることが様々な変化の波を乗りこなすことにつながると私は考えています。

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外側に向けてステップを広げる

関西人はノリこなすのが得意?

突然のリモートワークへの移行の中で「大変だけど、これはこれでオモロそう」と言ったメンバーがいました。この「オモロそう」が変化の波を乗りこなす「ノリ」のヒントだと私は考えました。

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大変だけど「オモロそう」

「オモロそう」は、過去にやったことが無いけど、これからやる価値がありそうでポジティブなことです。つまり、「オモロそう」には「状況の洞察」と「ポジティブな姿勢」のノリで対処するための要素が含まれています。

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「オモロそう」とは

そして、関西人は突然怖い人が借金を取りに来てもノリで対処する喜劇やどんな無理難題でもノリで調査・報告する探偵番組など、普段からノリでノリこなす文化の中で生きています。

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某喜劇のイメージ

関西人らしく「オモロそう」を引き寄せて外側へステップを進めていくことが、変化の波をノリこなすことにつながるのではないかと私は考えています。

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「オモロそう」引き寄せて変化の波をノリこなす

デブサミも変化の波を乗りこなす

今回はオンライン開催ということでしたが、セッション内容はリアルタイム配信ではなく事前撮影方式でした。テレビ撮影のようにカメラを向けられてマイクで音声を拾ってもらいながら行うセッションは初めてで、とても貴重な経験をさせて頂きました。デブサミ自体も新たな変化に向けてチャレンジしていることを改めて実感できる体験でした。

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セッション撮影の様子

枠を超えてつながりたい

今回の発表をきっかけに、これまで以上にたくさんの方々と枠を超えてつながることができればと思っています。今月も様々なイベントが計画されていますので、興味を持たれましたらぜひご参加ください。

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