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ラズパイでできること 【入門・基本編】

はじめに

みなさんこんにちはa_renrenです。
今年は、新型コロナウイルスによって以前より家にいる時間が増え、何か家でできる趣味を探している方が増えているのではないしょうか。
今回は、そのような方におすすめのラズパイについてご紹介していきたいと思います。また、これからラズパイの購入を考えいる方やラズパイは聞いたことがあるけどどんなことができるかあまり知らない方も是非読んでみてください。最後に簡単にラズパイとLINEを連携する方法を載せています。少しでもラズパイに興味を持っていただけたら幸いです。

ラズパイとは

ラズパイとは正式名称をRaspberry PI(ラズベリーパイ)といい、イギリスのラズベリー財団によって開発されたシングルボードコンピュータです。
シングルボードコンピュータとはむき出しの一枚のプリント基板の上に、電子部品と最低限の入出力装置を付けただけのとてもシンプルなコンピュータです。
もともとは子供向けの安価な教育コンピュータとして開発されましたが、今では、コンピュータやプログラミングの学習のみならず電子工作やロボット、産業向けに利用されるようになってきました。

ラズパイの種類

初めてのラズパイが発売されてから10年近くの年月が経ち、ラズパイの種類もどんどんと増えてきました。
今では大きく分けて5種類のラズパイが発売されています。
ここでは、一番性能が高い最新のモデルと一番安いモデルを紹介します。

Raspberry Pi4 model B

国内で2019年11月末に発売された最新モデルです。
従来のモデルとの大きな違いは

  • メモリの選択が可能(2GB、4GB、8GB)
  • CPUのクロック数が1.2GHzから1.5GHzとなり、より高速化
  • microHDMIを2つ搭載

などがあげられ、全体的にコンピュータとしての性能が高まりました。 メモリの選択が可能になり、本格的なサーバの運用などに対応することが可能となったことでラズパイでできる選択肢の幅が広がりました。

従来のモデルとの互換性が低かったり、消費電力が増えたりなどのデメリットがいくつかあるようですが、 これからラズパイを購入しようとしている人はこのモデルを買えば問題はないと思います。 メモリに関しては、値が高ければ性能も高くなりますが値段も高くなるため、お財布と相談しながら決めましょう。 ちなみに私は4GBのメモリを搭載しているものを購入しました。

www.raspberrypi.org

Raspberry Pi Zero

全モデルの中で一番安価なモデルで600円程度で買うことができます。 より多くの人にラズパイを体験してもらうことを目的として作られたモデルです。

ほかのモデルと比べると性能は劣りますが、あまりお金をかけずに楽しみたいという人におすすめです。

www.raspberrypi.org

最近だと、ラズパイとキーボードが一体化したRaspberry Pi 400というものが登場しました。 日本では2021年以降に発売予定のため、気になる方はぜひ買ってみてください。

www.raspberrypi.org

ラズパイでできること

ラズパイでは、デスクトップPCで行うインターネットの閲覧、ゲームのプレイから電子工作など多くのことを行うことができます。 皆さんの発想次第で様々な使い方ができます。
今回はラズパイでできる様々なことの中からいくつかおすすめを紹介いたします。

カメラとして活用

ラズパイにはカメラが搭載されていませんが、別途カメラモジュールを購入することでカメラとして機能させることができます。
一口にカメラと言っても、設定を行えば監視カメラやセンサーカメラ、チャットに決まった時間に自動で撮れた写真が送られてくるような定点カメラなど様々な使い方ができます。 追加で費用がかかりますが、汎用性が高く、設定が難しくないため初心者にもおすすめです。

nn-hokuson.hatenablog.com

プログラミング学習

もともと学習目的で作られているため、PythonやScratchが標準でインストールされおり、初心者が躓きやすい導入部分がなく手軽に始めることが可能です。
また、Linuxの学習をこれから始めようとしている方にもおすすめです。 LinuxのコマンドなどLinuxを学習しようとお手元のパソコンにLinuxをインストールする必要がありますが、何かしらトラブルがあった場合に一人で解決することが難しいことが多く途中で断念してしまう人は少なくないと思います。
ラズパイではOSを選択することができ、その中にDebianというLinuxディストリビューションが元となったRaspbianというOSがあります。 RaspbianをOSとして選択してラズパイを使用することで、簡単にLinuxの学習を始めることができます。

センサーと連携

ラズパイには様々なセンサーモジュールが用意されています。 いくつかセンサーをご紹介します。

  • 水温センサー
  • 湿度センサー
  • 人感(モーション)センサー
  • ガスセンサー
  • 光センサー
  • 赤外線センサー
  • タッチセンサー
  • サウンドセンサー

他にも様々なセンサーが用意されています。
水温センサーとラズパイを掛け合わせることで自宅の水槽の水温の管理、人感センサーと掛け合わせると、人感センサーが働いた時だけライトの点灯や防犯カメラの起動、ディスプレイの起動などを行うことができます。
また、これらのセンサーがまとまっているキットも発売されているため、色々試してみたい方にはおすすめです。

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実際に触ってみた

今回は、ラズパイとLINEを連携してメッセージを送れるようにしてみます。

ラズパイ購入

私は、付属品がセットになっているこちらのスターターキットをAmazonで購入しました。

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これから始める際に必要なHDMIケーブルやmicroSDカードなどの部品がそろっているため、簡単に始めることができます。
また、本来であればmicroSDカードにラズパイ用のOSを書き込んでおく必要がありますが、このスターターキットには、すでにRaspbianなどのOSが書き込まれたmicroSDカードが付属しているため、面倒な手間が省けます。
しかし、このスターターセットだけでは、ラズパイを操作することはできません。スターターセットに加え以下のものが必要となります。

  • キーボード
  • マウス
  • ディスプレイ

一応ディスプレイがなくともテレビなどで代用することができます。

今回購入したスターターキットの中身はこのような感じでした。

  • ラズパイ本体(4GB RAM)
  • microSDカード(32GB)
  • スイッチ付き電源アダプタ
  • HDMIケーブル×2
  • 冷却ファン×2
  • ケース
  • ヒートシンク×3(取付済み)
  • MicroSDカードリーダー
  • 取り扱い説明書

ケースに取り付けるとこんな感じです。 ケースの上部に冷却ファンを取り付けることができ、本体に電源を入れるとファンが回り始めます。

ケースの取り付け方は説明書がありましたが、あまり詳しく書かれていないのとケースが堅かったため、取り付けに少し苦労しました。
このケースは、3つに分解することができるので、全部分解してから取り付けることをおすすめします。

セットアップ

ラズパイの組み立てが終われば次は、モニターなどを接続してOSのインストールを開始します。 付属のmicroSDカードを差し込めば簡単にOSのインストールを行うことができます。

今回はRaspbianを選択しました。 こちらの画面で言語の設定とwifiの設定が可能となっています。 左上のインストールをクリックするとインストールが開始します。

インストールが完了するとパスワードなどの各種初期設定が開始されます。 こちらの設定は後でも行うことができますのでスキップしていただいても大丈夫です。 初期設定が終わるとこちらの画面が出てくるかと思います。 ひとまずセットアップはこれで終了です。

LINE Notify設定

一通り設定が終われば実際にLINEと連携してみましょう。
まずは、LINE Notifyにログインしてトークンを発行します。
LINE Notifyは、Webサービスやアプリなどに来た通知を簡単にLINEに送信することができるサービスです。
以下からログインすることができます。

LINE Notify

ログインできたら、右上に名前が表示されるので、そちらをクリックし、マイページを選択してください。

下にスクロールするとアクセストークンの発行があるので「トークンを発行する」からトークンを発行します。

トークン名と通知を送る相手を選択します。 通知はグループにも送ることができます。

今回は、トークン名を「ラズパイ」にして、送信相手は自分のアカウントを選択します。 選択後、「発行する」をクリックしてください。

するとトークンが発行されるのでそれをどこかにメモしておいてください。 以上でトークンの発行は終わりです。

メッセージの送信

次は、ラズパイの操作に入ります。

以下のコマンドをホーム画面の左上にあるLXTerminalで実行することでLINEにメッセージが送れます。 送るメッセージはmessage=の右側で指定することができます。 今回は、Helloというメッセージを送信してみます。

$ curl https://notify-api.line.me/api/notify -X POST -H "Authorization: Bearer XXXXXXXX" -F "message=Hello"

XXXXXXXXの箇所を先ほど発行したトークンに書き換えてください。
実行後以下のステータスが返ってくると成功です。

{"status":200,"message":"ok"}

実際にLINEで確認してみましょう。

先ほどのmessageで指定したHelloというメッセージが送られてきているのが確認できます。
以上でLINEとの連携の設定は終わりになります。

終わりに

今回は、ラズパイの基本的な情報からできることまで簡単に紹介しました。
後半では簡単にラズパイとLINEを連携させてメッセージを送れるようにしましたが、ただコマンドを打ってメッセージを送るだけだとあまり実用性がありません。ここからさらに発展させると、カメラモジュールを組み合わせて、お留守番しているペットの写真を定期的にLINEに送信したり、赤外線センサーを組み合わせて郵便物の受け取りを通知させたりと様々な使い方ができるかと思います。
ここから先は皆さんの発想力でラズパイを自分色に変えてみてください!

参考

Raspberry Pi Documentation
Raspberry Pi センサーでいろいろ作れる!おすすめ10選 - オススメPCドットコム
ラズパイのモデルを比較 | M5Stack沼人の日記
Raspberry Pi(ラズパイ)からLINEにメッセージを通知する(コマンド編) | STONE-BOOKs


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