こんにちは。ラクスの大阪開発組織で統括責任者をしております、矢成です。
私たちラクスは、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」というミッションのもと、BtoB SaaSを通じてお客様の業務課題を解決しています。
開発本部でも「顧客をカスタマーサクセスに導く圧倒的に使いやすいSaaSを創り提供する」というミッションを掲げ、「顧客志向」を徹底したプロダクトづくりに取り組んできました。
この開発組織の原点は、実は大阪にあります。
ラクスは大阪で創業し、最初のプロダクト開発も大阪からスタートしました。
現在においても、大阪開発組織は複数の主力サービスを担当しながら、創業時から大切にしてきた「顧客志向」の文化を今なお受け継ぎ、さらに発展させ続けています。
こうした背景から、大阪には単なる「開発拠点」という枠に収まらない、ラクスのカルチャーや開発スタンスの原点が存在しています。
そしてもう一つ、私たちが大切にしているのが、人と人とのコミュニケーションです。 私たち大阪開発組織は70名規模の組織に成長しましたが、ともすればチームの中に閉じてしまいがちな日々のやりとりを細らせず、「隣のチームが何に悩み、どう臨もうとしているか」に自然と目が向くような関係性を持ち続けたいと考えています。
プロダクトをつくるのは、チーム。そしてチームをつくるのは、人と人の間にある信頼です。技術だけでなく、チームワークや対話にも本気で向き合う、良きチームであり続けること。それが、大阪の開発文化のもう一つの根っこになっています。
「プロダクトを通じて顧客に価値を届けるとはどういうことか」
「価値を届けるために必要なコミュニケーションや人と人との関係性とは」
そうした問いに向き合い、行動に移す文化が、組織の土壌として根付いているのです。 本記事では、そんな大阪開発組織の価値づくりの全体像をご紹介します。
プロダクトや技術領域はもちろん、働くメンバの姿勢や文化づくりの取り組み、そして組織を横断した関係構築など、「大阪開発組織の価値づくり」がどのように行われているのかを、具体的な事例を交えながらお伝えしていきます。
大阪開発組織の概要
ラクスの開発組織は東京・大阪に分かれており、大阪拠点には複数のプロダクト別開発チームとインフラ部門が所属しています。
主な担当プロダクトは楽楽販売、楽楽請求、メールディーラー、配配メールの4つ。
プロダクト別に開発部・課に分かれており、各課にはエンジニアリングマネージャ、プロジェクトマネージャ、プロダクトマネージャ、バックエンドエンジニアなど、さまざまな職種のメンバが集まっています。
各課の人数は10~20名程度です。(チームの体制・製品フェーズにより差があります)ベトナム拠点と連携して開発しているチームでは、ブリッジエンジニアが在籍しています。
フロントエンドエンジニア、プロダクトデザイナなどの専門領域は、東京拠点の開発組織と協働しています。その他、広報やR&D、SREなど、東京側の部門横断組織と連携することも少なくありません。
組織としての価値をつくる取り組み
以下では、大阪のエンジニアが行っている取り組みをご紹介します。
外部情報発信
当社の技術課題に対する姿勢、取組をエンジニア自身の視点で社外に伝えるため、外部イベント登壇や、当ブログでの発信を積極的に行っています。
こうした発信の場は、エンジニア自身のスキルアップはもちろん、日々のモチベーションアップにもつながっています。特に大阪では、PHPベースのプロダクトが多いこともあり、PHP関連のカンファレンス(PHPConference、PHPerKaigiなど)への登壇実績も豊富です。
【昨年の登壇レポート】 tech-blog.rakus.co.jp tech-blog.rakus.co.jp
文化醸成
顧客志向ワークショップ
「顧客志向」という重要な価値観を組織に根付かせるためには、ディスカッションによる理解の深耕が役立ちます。
プロダクト開発に関わるすべてのエンジニア(東京側の専門組織メンバも含みます)が一堂に会し、顧客像や顧客課題、「顧客志向」の意味について意見を交わします。
これは頻繁に取り組むものではありませんが、顧客やプロダクトの強みを改めて捉え直し、解像度を高めていく機会にもなっています。
CS・営業・開発の情報交換会
CS・営業など、プロダクトに関わる他職種メンバと顔を突き合わせ、顧客の声や製品評価・課題について意見交換します。エンジニアだけでは知ることの難しい、顧客や製品の「実際」がよりリアルに感じられ、顧客理解が深まります。また、チャットやメールなど、文字ベースのコミュニケーションでは得られないフランクなやり取りもとても貴重なものです。職種間の信頼関係を育み、継続的に取り組んでいこうという機運につながっています。
詳細はこちらもご覧ください
tech-blog.rakus.co.jp
テーマ別情報共有会
プロダクトごとの開発チームの枠を超えたナレッジ共有のため、エンジニア主導で定期的な情報共有会を実施しています。
PHP、Java、上流設計、運用保守など、テーマごとに知見のあるメンバを中心とした分科会的な場を設け、成功事例だけでなく「うまくいかなかった話」も含めて、率直な意見交換を行っています。
チーム横断のこうした学びの継続が、組織全体の技術力と対応力の底上げにつながっています。
大阪AI会
こちらもプロダクトの枠を超えた成功・失敗事例、取組の共有の場ですが、特に最近はAI技術の推進にフォーカスした情報交換の場として注目を集めています。
Devin、Cursor、GitHub CopilotなどのAIツールの活用・検証に関する情報交換が活発に行われ、各チームでの取り組み → 得られた知見の共有 → 他チームへの還元、というサイクルが、日々進化するAI技術へのキャッチアップ手段として機能しています。そしてもちろん、共有内容は大阪に限定せず、開発組織全体にも展開しています。
組織活性化
ビアバッシュ
業務での取り組み事例やお悩み相談、最近気になっている技術トピック、個人開発のアプリ紹介など、ビール片手に気軽に雑談・相談できるLT&交流の場です。ただの交流会にとどまらず、学びの機会としても好評で、毎月の恒例行事としてすっかり定着しています。
部門間交流会
「エンジニア歴○○年」「○○○に関わりのある人たち」などの共通の切り口をもとに、チームの枠を越えたコミュニケーションの場を継続的に設けています。
必ずしも業務で直接つながっていないメンバ同士が交流するきっかけにもなっており、ここで生まれた関係性がきっかけとなり、開発プロジェクトの課題解決につながったケースもあります。
大阪で開発しているプロダクト紹介
楽楽販売 (クラウド型販売管理システム)
販売管理・案件管理をはじめとした、あらゆる社内業務をシステム化することができるWebデータベースシステムです。ノーコードでのカスタマイズ機能により、使いながら最善のシステムに改善していけるほか、帳票発行・資料送付といったルーチンワークを自動化することで、業務効率化・コスト削減を実現します。
www.rakurakuhanbai.jp youtu.be
楽楽請求 (クラウド型請求書受領システム)
紙・メール・PDFなどさまざまな形式で届く請求書を、正確に、スピーディーに、安価にデータ化し、一元管理を実現することができます。経理業務で発生する手入力の煩雑さや、ミスの不安から顧客を解放するシステムです。
メールディーラー(メール共有管理システム)
顧客からの問合せメールを共有・一元管理し、メール対応業務を効率化するツールです。2001年4月リリースの、ラクスで最も歴史のあるプロダクトで、累計8,000社以上にご利用いただいており16年連続売上シェアNo1となっています。
配配メール(メルマガ配信・一斉メール配信サービス)
中小企業のマーケティング担当者に選ばれる「配配メール」は、成熟したメール配信市場にありながら、リードの創出から商談獲得まで顧客業務の幅広い課題を解決することで、新たな価値を生み出し、高い売上成長を達成しているクラウド型メール配信サービスです。
おわりに
ラクスの大阪開発組織では、プロダクトだけでなく、組織や文化そのものも“顧客志向”で育て続けています。
仕様どおりに作るだけではなく、顧客の課題と対話しながら、手を動かし、仲間とワイワイ議論し、より良い価値をつくる。それが私たちが目指すエンジニアリングです。
そしてチームの中での対話、職種や組織の枠を越えたやり取り──そんな関係性の中にこそ、より良いプロダクトの種があると私たちは信じています。 技術の選択も、設計の見直しも、文化のあり方も。すべての判断の中心には「これは本当にお客様の役に立つのか?」という問いがあり、対話しながらその答えを見つけていきます。
もしあなたが、
「プロダクトと向き合う開発がしたい」
「本当に価値あるプロダクトを届けたい」
「人と人との関係性を大事にしながら開発したい」
そう思ったことがあるなら、ぜひ一度、大阪の現場のリアルな話を聞きに来てください。
“理念・理想”から“実践・行動”へ。対話を重ね、顧客志向を日々かたちにしているチームの一端に、触れられるかもしれません。