2026年1月21日(水)、ラクス主催のテックイベント 「RAKUS AI Meetup Vol.2」 をオンライン開催いたしました。
ラクスの開発組織では、「顧客志向」を大切にしています。 新しい技術を導入すること自体を目的とするのではなく、「この技術が、誰のどんな業務をどれだけ楽にできるのか」を起点に、日々の開発や改善に取り組んでいます。
RAKUS Meetupは、そうした顧客志向の開発実践から得られた知見を、エンジニア自身の言葉で共有する場として開催しています。
今回の「RAKUS AI Meetup Vol.2」では、ラクスが全社を挙げて取り組んでいるAI活用について、「プロダクトAI実装」「AI駆動開発」「AI組織体制」の3つの観点から発表しました。
本記事では、当日の発表内容をダイジェストでお届けします。
- 1. 全エンジニアのAI活用状況を可視化する~Lookerを用いたアンケート分析と今後の推進策~
- 2. 仕様駆動開発の組織的定着に向けた取り組み
- 3. 出してみてわかったAIエージェントプロダクトの舞台裏
- まとめ
1. 全エンジニアのAI活用状況を可視化する~Lookerを用いたアンケート分析と今後の推進策~
登壇者:野間 由貴(開発管理課)
最初のセッションは、ラクス開発本部全体でAI活用をどう推進しているかという組織的なアプローチについてのお話です。
セッションのポイント
- AI技術の進化が速く「理想」の定義が困難であるため、無理に理想を追わず、全エンジニア300名超の「現在地」を可視化することに方針転換した。
- 「人・こと・気持ち」の3軸でアンケートを設計し、Looker Studioを用いて誰もが使える分析基盤を構築した。
- 可視化により各チームごとの活用度合いの違いが明確になり、マネジメント層が優先順位を決定するための判断材料として機能した。
AI活用によって生まれた価値
- 開発組織全体のAI活用レベルを底上げすることで開発効率が高まり、お客様への価値提供のスピードと質が向上した。
2. 仕様駆動開発の組織的定着に向けた取り組み
登壇者:小栗 朗(開発課長) / 山田 智史(バックエンドエンジニア)
続いては、「楽楽電子保存」開発チームによる、開発プロセスそのものをAIに適応させた事例です。
セッションのポイント
- 実装フェーズにおいて、レイヤーごとに13種類のカスタム指示を用意することで実装品質の標準化とハルシネーションの抑制を図った。
- オフショア開発(ベトナム)との連携において、AIでPRの説明文やアーキテクチャ図を自動生成することで、日本側のレビュー負荷を大幅に軽減した。
- これらの取り組みにより、PRのサイクルタイムを約1/3に短縮し、開発量自体も170%増という大幅な生産性向上を実現した。
- 「要件定義~設計~実装」を分断しない世界観を目指してプロセス改善に取り組んでいる。
AI活用によって生まれた価値
AIによる開発効率の向上や開発量増加により、お客様が求める機能や改善をよりスピーディかつ大量にお届けできるようになった。
3. 出してみてわかったAIエージェントプロダクトの舞台裏
登壇者:石田 浩章(AIエージェント開発課 課長)
最後のセッションでは、2025年にリリースされた「楽楽AIエージェント for 楽楽精算」クローズドβ版の運用知見が共有されました。
セッションのポイント
- AIエージェント機能により、従来の経費精算業務の30%~50%の工数を削減した。
- 開発中に「LLMコスト」「精度」「応答速度」という3つの壁を乗り越えた。
- コストの壁:過去の経費精算書を活用してLLMの推論量を大幅に削減し、コストを数十分の一まで削減した。
- 精度の壁:企業ごとに異なる複雑な経費精算ルールに対応するため、AIは高速なドラフト作成に特化し、正当性の担保は既存の「規定違反チェック機能(ルールベース)」に任せるハイブリッド構成を採用した。
- 応答速度の壁:お客様ヒアリングの結果をもとに、フローの一部を非同期処理に変更することで体感速度の課題を解消した。
AI活用によって生まれた価値
- AIエージェント機能によりお客様の経費精算の手間を削減できるようになった。
まとめ
今回のミートアップでは、ラクスにおけるAIの取り組みを 「プロダクトAI実装」「AI駆動開発」「AI組織体制」の3つの観点でご紹介しました。
ご紹介した取り組みはいずれも、AIを導入すること自体を目的としたものではなく、 「お客様の業務をどうすればもっと楽にできるか」という顧客志向の視点から生まれたものです。
ラクスでは、働く人をもっと「楽!」にするため、 これからも顧客志向を軸に、AIの活用と開発プロセスの進化に取り組んでいきます。