
こんにちは、プロダクト部 部長の稲垣です。(自己紹介やこれまでのキャリアについて↓をご覧ください。) tech-blog.rakus.co.jp
「HORIZON OF KHUFU 古代エジプトへの旅」というVR作品を体感してきました。
の方も感想を掲載していますが、非常に素晴らしい体験ができました。
自分はコロナ禍前の2019年11月エジプトのカイロへ旅をして、ピラミッドやスフィンクスを見てきました。

そんなつながりもあって、世界最大の建造物やその中を見ながら、自分の仕事と紐づけて少し書いてみようと思います。
それは『ピラミッド』を『プロダクト』として捉えて色々考えてみようという試みです。
目次
- ピラミッドは史上最大のプロダクトだった
- ピラミッド建設における役割分担は、驚くほど現代的だった
- ピラミッドは「超巨大ウォーターフォール型プロジェクト」だった
- スクラムでピラミッドは作れたのか?
- プロダクトマネージャーへの最大の学び ――「完成」ではなく「残る価値」を見る
- AIが発達した今、ピラミッド作成はどう変わるか?
- おわりに
ピラミッドは史上最大のプロダクトだった
エジプトのピラミッドは、「なぜ作れたのか」「どうやって作ったのか」という技術的な驚きと同時に、なぜ4500年以上経っても価値を失っていないのかという問いを私たちに投げかけてきます。

私は現在、ラクスというSaaS 企業で、プロダクトマネージャーとプロダクトデザイナーが所属するプロダクト部のマネージャーを務めています。
プロダクト開発に携わる立場としてピラミッドを見たとき、それは単なる古代建築ではなく、史上最大級・最長寿命の「プロダクト開発事例」に見えてきました。本記事では、
- ピラミッド建設における役割分担
- 作成工程・プロセス
- スクラムは適用できるのか
- AI時代にどう変わるのか
を整理しながら、現代のプロダクトマネージャーに向けた学びとしてまとめてみます。
ピラミッド建設における役割分担は、驚くほど現代的だった
ピラミッドは「王の命令で人が動いた」という単純な話ではありません。実際には、明確な役割分担と責任構造が存在していたようです。
諸説ありますが、現代のプロダクト組織に当てはめると、次のように整理して捉えると学びがあります。
- プロダクトオーナー:ファラオ(王)
- なぜ作るのか、何を象徴するのかを決める存在
- プロダクトマネージャー:宰相(ヴィジエ)
- 国家全体のリソースを動かし、成功責任を負う
- プロジェクトマネージャー:王の建築家・建設監督官
- 工程・品質・リスクを管理する実務責任者
- 専門職チーム:測量官、石工、運搬班
- PMO / 管理:書記官
- 人数、資材、配給、進捗を記録し「見える化」する

重要なのは、「ビジョンを守る役割」と「現実を成立させる役割」が分離されていたことです。これは現代の
- プロダクトマネージャー(価値・WHYを守る)
- プロジェクトマネージャー(納期・実行を守る)
という関係性と、本質的に同じだったのではと思います。
ピラミッドは「超巨大ウォーターフォール型プロジェクト」だった
ピラミッド建設は、現代で言えば典型的なウォーターフォールだったように思います。
- 高さ・方位・形は最初に決まっている
- 途中での作り直しはほぼ不可能
- 完成しない限り価値が出ない
- 王の治世という明確なデッドラインがある
一方で、完全な一発勝負でもなかったのでは?とも思います。
- 小型ピラミッドでの試行
- 途中で角度を変えた「屈折ピラミッド」
- 失敗の学習を次世代に引き継ぐ
つまり、
全体はウォーターフォール、部分は反復的改善
これは現代の大規模プロダクト開発と非常によく似ています。

スクラムでピラミッドは作れたのか?
結論から言えば、スクラム「だけ」でピラミッドを作ることは不可能だったのではと自分は思っています。
- 要件変更が許されない
- 失敗コストが致命的
- インクリメント単位で価値を出せない
ただし、
スクラム的な考え方がなければ、現代では確実に失敗する
とも言えます。スクラムが有効なのは、
- 工法・設計の検証
- 精度・安全の実証
- デジタルツインや管理システム
といった 不可逆性の低い領域です。
本体はウォーターフォール、「考える・試す」部分はアジャイル。
これはtoB SaaSにおいても、
- コア価値・約束は固定
- 体験・実装は反復改善
という構造と重なります。
プロダクトマネージャーへの最大の学び ――「完成」ではなく「残る価値」を見る
クフ王の大ピラミッドは、
- 当時のKPI(王の復活・権威の象徴)を満たし
- 4500年後の私たちにとっても価値を持ち続けています
プロダクトマネージャーは、
- 今四半期のKPI
- 今月のリリース
- 直近の改善要望
に引っ張られがちです。しかし同時に、
「このプロダクトは、数年後にも意味を持つか?」「社会や顧客の前提が変わっても、価値は残るか?」
という問いを、誰よりも引き受ける役割でもあります。
私たちのBtoB SaaSでも、“社内都合のKPI”ではなく、“お客様の業務がどう良くなるか”を起点に、数年後も残る価値を選び続けたいなと思います。

AIが発達した今、ピラミッド作成はどう変わるか?
もし現代でピラミッドを作るなら、AIは確実に「PjM・PdMの仕事」を変えます。
- 構造解析・設計シミュレーションの高速化
- スケジュール・リスクの自動最適化
- 進捗・品質・安全のリアルタイム監視
- 過去プロジェクト知見の即時活用
一方で、AIが代替できないものも明確です。
- なぜ作るのかを定義すること
- どの価値を守り、何を捨てるか決めること
- 社会・顧客にとっての意味を言語化すること
AIは「どう作るか」を加速するが、「なぜ作るか」は人間にしか決められない

おわりに
ピラミッドは、史上最大級の建築物であると同時に、史上最長寿命のプロダクトでもあります。
プロダクトマネージャーという仕事は、「作ること」よりも「価値を未来まで運ぶこと」に本質があります。
4500年前の人類がそれを成し遂げた事実は、現代のプロダクト開発に携わる私たちにとって、非常に示唆的ではないでしょうか。
この記事を読んで、やラクスのプロダクト部に興味を持ってくださった デザイナー/PdM の方 は、ぜひカジュアル面談からご応募ください。
※プロダクトマネージャーのカジュアル面談は、基本的に私(稲垣)が担当します!
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