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第3回:開発者泣かせの多彩な状態変化でメールマーケティングを支える配信のしくみ【はいくる通信】

初めまして、pbtnhanです。ラクベトナムから日本へ出向中のベトナム人です。はいくる通信の第3回を担当させていただきます。

 第3回では、お客様のマーケティングの方法に合わせて選べるメールの配信方法と私たち開発者が意識している多彩な状態変化についてご紹介します。

メールマーケティングの配信の種類

配配メールにはメールマーケティングに合わせた複数の配信方法があります。その種類をそれぞれご紹介します。

  • グループ配信

  • ステップメール配信

  • A/Bテスト配信

  • スポットメール配信

更に、秋にリリースする予定のトリガーメール配信も少し紹介します。

グループ配信

マーケティングのキャンペーンによって、年齢や性別など、自由な条件でグループを作成できます。それから効果の高いメールを作成して、一斉配信することができます。

配信完了が終わりではなく、顧客の反応効果を測定できる仕組みもあります。メールを開封した顧客一覧、リンククリックした顧客一覧等に対して、更に別のメールを配信して継続的なマーケティングを行うことができます。

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自由な条件でグループを作成して、メールを一斉配信することができます。

ステップメール配信

お客様のタイミング(メルマガ登録日、誕生日など)を起点として、あらかじめ用意しておいたメールコンテンツを決められたシナリオの通りに自動的に個別メール配信します。

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顧客のタイミングで複数ステップで個別メール配信することができます。

A/Bテスト配信

A/Bテストとは、WebマーケティングにおけるCRO(Conversion Rate Optimization)の手法の一つです。A/Bテストの目的を簡単に言うと「CVR(コンバージョン率)とCTR(クリック率)」の向上です。

グループメールと同様に一斉配信しますが、2つのメールパターンを用意して、テスト配信率やテスト期間(効果測定期間と呼びます)を指定し、2つのメールパターンを同時に配信します。効果測定期間が終わった時点でお客様反応率が高いメールパターンを自動的に残りの配信リストに配信します。

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A/Bテストの配信流れ。画像:hai2mail.jp

スポットメール配信

「休業のお知らせ」や「メンテナンスの告知」など、緊急性を要し、且つ全員に送るメールなどのように、一回だけ配信できればいいというときに利用できます。

トリガーメール配信

トリガーメール配信は、秋にリリースする予定の新しいメールマーケティングのメール配信方法です。

マーケティング業界に最近、MA(マーケティング・オートメーション)が流行しています。その中にホット・リード(Hot leads)やコールド・リード(Cold leads)の概念があります。例えば、もし自社のWebサイトに来訪したら、ホット・リードと扱って事前に用意されたマーケティングメールを自動的に配信できます。詳しい内容は別の機会でご紹介します。

メールマーケティングを支える多彩な状態変化

配配メールはメールマーケティングのサービスなので配信の状態を細かく管理しています。

配信の種類ごとに異なる状態変化

 配信の状態は上記でご紹介した配信の種類によって異なっています。例えばグループメール配信とA/Bテスト配信では次のように状態変化の違いがあります。

  • グループ配信

    • 「一時保存中」、「配信待ち」、「承認待ち」、「配信中」、「配信停止中」、「配信完了」、「キャンセル」
  • A/Bテスト配信

    • 「一時保存中」、「配信待ち」、「AB配信中」、「効果測定中」、「Win配信中」、「配信完了」、「キャンセル」

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グループ配信のメール状態

配信先ごとの状態変化

配信先のメールアドレスごとの状態も変化します。例えば、配信先のユーザーがメルマガ解除を行った時は「配信停止」になります。この時、システム内の自動同期の仕組みによって、所属している配信グループやステップメールの全てのメールの配信が配信停止になります。既に配信中のメールや配信予定のメールからも除外されます。

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配信先状態

開発の特徴

新しい機能を開発したり、実際にメールを配信してテストする時には上記のような多彩な状態変化を理解しておく必要があります。

複雑さを受け入れた開発

私たち開発者にとって、上記のような多彩な状態変化を実現するためには設計が複雑になります。また、配信のテストで状態変化を確認するのも大変です。しかし、お客様が適切なタイミングで配信を行い効果的なメールマーケティングを実現するためには必要なしくみと考えて、この複雑さを受け入れて開発しています。

状態変化のしくみの複雑さを受け入れたうえで、設計の見落としやテスト配信のミスが起きないようにチェックシートなどのドキュメントを整理して活用しています。また、あらかじめ配信状態のテストデータを準備しておき、データの作成を自動化するなどの改善も進めています。秋にリリースする予定のトリガーメール配信もこれらの状態変化のしくみを考慮して開発を進めました。

まとめ

メールマーケティングの方法はまだまだ進化しています。配配メールでの配信の種類や関係する機能は今後もどんどん増えていくと思います。

今回はメールマーケティングを支える配信の種類をテーマにして、多彩な状態変化とそのしくみを実現している開発の特徴についてご紹介いたしました。次回もどうぞお楽しみに!


お知らせ

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