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株式会社ラクスのITエンジニアによる技術ブログです。

キャリアは偶発?計画?:IT企業6社を経た足跡

どうも、稲垣です。

先日、株式会社翔泳社 ProductZine編集部主催のイベントに参加しました。
昨年に続き、今年も神田明神ホールで開催されました。

当日は晴天で、神田明神では『神田神社大祭』が催されており、活気にあふれていました。

その中で以下のクロージングセッションが

【モデレーター】広瀬 丈[ログラス]/飯沼 亜紀[ウト]/斉藤 知明[ログラス]/横道 稔[Product People]

という、プロダクトマネージャーのキャリアについてのセッションでした。

その中で「キャリアは偶発的ですか?計画的ですか?」という問いがありました。

登壇者全員が「偶発的」と答えていて、非常に印象深かったです。

改めて、こういったセッションでは「よい問い」こそが素晴らしい議論を生み出すのだと感じました。

計画的なのは「大谷翔平さん」くらいではないかという話もあり、おそらく多くの方が頷いていたと思います。
また、会場にいたすべての人が「自分はどうだろう」と考えていたことでしょう。ポストしている方も多数いました。

自分もそんな一人だったので、イベントのテーマに触発されて、これまでの自分のキャリアについて書いてみようと思います。

自分のキャリアは偶発的ですか?計画的ですか?

自己紹介と略歴はこんな感じです。

新卒で大手独立系SIer企業に何とか滑り込み、そこを含めて、現在のラクスまでIT企業を6社経験しています。

イベントの問いにあった「キャリアは偶発的ですか?計画的ですか?」については、ずるい回答をすると、

 「偶発と計画の狭間」 にあります。

青の項目は、自らの意志で計画的にキャリアを変えたものです。 それ以外は、偶発的というか、働く中でチャンスがあったり、気がついたらそうなっていたキャリアです。 面白いのは、偶発的でも計画的でも、見事に失敗しているという点です。そのあたりについて、ここから書いていこうと思います。

キャリアの変遷 前編

「キャリア」(career)という言葉の起源は、中世ラテン語の「車道」にあり、英語では競馬場や競技場におけるコースや、そのトラック(行路、足跡)を意味するものだそうです。(登壇者のログラスの斉藤さんも「足跡」だと話されていました。)

そんなわけで、自分のキャリア(足跡)を、いくつかのパートに分けて「出来事」と「その時感じたこと」という視点から振り返ってみることにします。

外部発信でここまで自己開示するのは珍しいと思いますが、読んでくださっている方の今後のキャリアに少しでも参考になれば幸いです。

※なお、この「キャリア変遷」資料は本ブログのために作成したものではなく、前職で幹部育成の研修アドバイザーをしていた際、研修課題として提示されたものに対し、「面白そうだ」と思って自分も作成したものを、少し補正したものです。

これがキャリア前半の18年分です。ここでは、偶発的なキャリアを9年半で終え、初めての転職をしました(計画的)。

そして、この転職でひとつ大きな失敗を経験しました。その失敗の理由は、転職時に2つのことを同時に追い求めたことにあります。

この失敗を糧に、次の転職では「自分のやりたいことをとことんやろう」という軸で会社選びをしました。

このあたりから、「エンジニア」という枠組みをあまり意識しなくなり、「製品づくり」に直接関与し、製品の成長に貢献できれば、役割にはそれほどこだわらなくなりました。この考え方が、キャリア後半や現在のプロダクトマネージャーという役割につながっています。

キャリアの変遷 後編

これが、キャリア後半の7年間(2025年5月現在を含む)です。ここでは、大きな変化が2つあり、そのうちの一つは失敗でした。

最初の変化は、親会社のグループ化に伴い、携わっていた事業が分社化され、その会社の役員を務めることになったことです。

実は、役員就任前には当時の会社を辞めるか、別の事業への異動を希望していました。理由は、自分自身が成長を実感できなくなっていたからです。

事業立ち上げ直後から5年以上にわたって携わり、開発・企画・デザイン全般の責任者を務めていました。製品の成長は著しかったものの、その中での刺激が徐々に減っていきました(長くいると何かと楽ができてしまう)。また、各領域のリーダーたちも成長していたため、「そろそろ潮時かな」と思っていたところでした。

その最中で分社化の話が持ち上がり、代表と話し合った結果、少し迷いはあったものの、役員という貴重な経験ができる機会だと捉えて引き受けました。当初はプロダクト管掌の予定でしたが、急遽コーポレート部門も担当することになりました。

この2年間で以下のような経験をしました:

  • 会社のビジョン・行動指針の策定
  • 人事制度などの制度設計
  • オフィス移転に伴うオフィスづくり
  • 全職種の新卒・中途採用責任者
  • アメリカ企業との提携交渉
  • 訴訟対応や商標取得に関する弁護士・弁理士との交渉

もしこのとき転職していたら、きっと経験できなかったことばかりだったと思います。

2つ目の変化は、役員退任後に「外資系企業」「技術サポートマネージャー」という、これまでまったく経験のなかった領域への転職です。

転職時には複数社から内定をもらっていましたが、そのほとんどは自社で製品づくりを行っている企業で、EM(エンジニアリングマネージャー)、システム企画、プロダクトマネージャーといった役割でした。なぜそれらの企業に行かなかったのか?

理由は、「そこそこうまくやれそうな気がしたから」だったように思います。

逆に、最終的に選んだ企業は、「うまくできるか全く未知」だったからこそチャレンジしたかったのです。

ただし、1点だけ懸念がありました。それは、「製品づくり」に直接関われない点です。その企業でもプロダクト開発は行っていましたが、基本的にはアメリカ本社での開発が中心でした。社内異動で関与する道もありましたが、ハードルは高いものでした。

結果的に、この懸念が的中し、退職を決断しました。

業務自体は面白く、同僚マネージャーやメンバーのレベルも非常に高かったですし、会社の仕組みや文化も独特で、短期間ながら多くを学ぶことができました。そのため、この転職に後悔はありません。

まとめ

というのが、これまでの自分のキャリア変遷となります。

キャリアの中でブレなかったのは、「製品をツクルことが好き」という気持ちでした。

前職では、面接時に求職者の方に以下の質問をよくしていました。

これには当然、正解はなく、おそらくこれら全部が好きだからこそ、製品づくりに携わっているのだと思います。ちなみに、当時なぜこの質問をしていたかというと、純粋にその人のタイプが知りたかっただけで、深い意味はなかったように思います。 (当時のメンバーに聞いてみたところ、見事に意見が分かれて面白かったですし、チーム編成の参考にもなりそうだと感じました)

ちなみに、自分の第一位は以下のように変化してきました:

2.考えたものを実際にツクルこと ⇒  3.ツクったものがお客様に届き反応があること ⇒ 1.何をツクルか考えること

今はもう、めんどうなので順位はつけていません。

そして、キャリアについては、ここまで書いてきたように、偶発的でも計画的でも失敗します。だから今は、自分のキャリアについてはほとんど何も考えていません。 マネージャーとして組織の未来は描きますが、自分の未来を描くことはやめて、目の前のことを全力で楽しくやりきることにフォーカスしています。その代わり、「働く」ことに対してのビジョンは決めていて、そのビジョンに近づけるかどうかを軸にしています。

以上が、自分のキャリアの変遷や、キャリアについての考えです。

参考になったかはわかりませんが、少しでもこの内容を通じて、自分や自分が今所属しているラクスに興味を持ってもらえたら嬉しいです。

ちなみに、現在は以下の組織でPdM(プロダクトマネージャー)とデザイナーをリードしています。

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