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今更聞けない『クラウド』の仕組み

はじめに

皆さんこんにちは、rs_tukkiです。今年新卒でラクスに入社しましたピッカピカの一年生です。

普段仕事や授業に取り組んでいると、「あれ、この単語どういう意味だろう?」と思っても、さも知ってて当然かのように話が進むせいでなかなか聞けなかったりすることありますよね。大丈夫です。私も割と多いです。
そんな「今更聞けない」言葉ですが、皆さん、こんな単語をご存知でしょうか。

クラウド

…はい、おそらく、知らない方はいないはずです。ですが、
クラウドサービスとか、最近よく聞くけどどんなサービスなの?」
「なんかデータを預けるとか聞いたことがあるけど、いざ質問されるとわからないな」

という方も多いでしょう。

そこで今回は、ラクスのシステムの根幹を担う「クラウド」が、どんなサービスなのかということについて、一から解説していこうと思います。

目次


クラウドとは?

概要

さて、クラウドについてネットで調べてみると、たまにこういう記述が見つかります。
クラウドの定義はとても曖昧です」
「定義や意味は曖昧である」

…さすがにこれでは元も子もないですね。
ですが、なんとか一言で「クラウド」を説明するのであれば、おそらく
「ユーザ一人ひとりがソフトやサーバを用意しなくても、ネットワークを通じてそれらを使うことが出来る、という考え方」
とするのが正しいと思います。

私たちが今までサービスを利用するには、専用のソフトウェアをインストールしたり、サーバを一から作る必要がありました。それが、クラウドによって「どこにあるか分からないけど、ネットワークの中から、必要な時に必要な量を取り出して利用する」ようになったのです。

クラウドという名称ですが、どこにあるかは分からない、けどどこかにある、というイメージが雲(=cloud)の中を手探りで操作しているように見えた、とか、ソフトやサーバを一極集中させていることから、ユーザがそこに群がっている(=crowd)ように見えた、など単語の意味自体には諸説あるようです。

クラウドという名前が生まれた背景

クラウド」という言葉を最初に使用し始めたのは、当時の米GoogleSEOエリック・シュミット氏だと言われています。これは2006年8月のことですが、実は有名なクラウドサービスの一つであるGmailは、2004年には既に稼働が始まっていました。 つまりクラウドという言葉は、技術の登場と同時に誕生したのではなく「元々存在していた技術に名前を付けたもの」ということになります。

なぜ、わざわざ名前を付けるようなことをしたのでしょうか。

それは、当時多くのサービスが「クラウドではなかった」からなのです。例えば、ワードやエクセル、パワーポイントなどのアプリケーション。これらは、当然自分のパソコンの中にインストールしなければ使えませんし、作成したデータも(USBなどの外部領域を使わないのであれば)一般的には、そのパソコンの中に保存しています。

このような非クラウドなサービスでも問題はないのですが、Gmailなどの誕生を機に「この形式でサービスを作れば、より便利になるんじゃないか」という流れが生まれました。そのため、「ユーザがそれぞれの領域にソフトやデータを確保する」という今までの使い方に対して、これからは「ネットワークにソフトやデータを配置して、場所は分からないけど簡単に使えるようにしよう」、ということを簡単に表す言葉として、「クラウド」が使われ始めたのです。


クラウドの使用例

さて、実際のクラウドの使用例についてですが、先ほど挙げたGmailなどのメールサービスをもとに説明します。
私たちがメールを送る際は、パソコン上でメールを作成や送受信を行うための「メールソフト」と、実際に送受信を制御するための「メールサーバ」が必要です。
メールソフトはOutlookBecky!Thunderbirdなどのソフトをインストールすればいいのですが、メールサーバの構築をクラウドなしで実現しようとすると結構大変です。企業であれば社内のメールサーバを持っているところもあるものの、個人で構築するのは手間ですし、あまり意味はありません。

一方、GmailHotmailなどの、クラウドサービスとして提供されているメールサービスでは、私たちユーザが用意するものは「インターネットに接続できるブラウザ」だけで十分です。ソフトのインストールも、サーバの構築も必要なく、
「どこにあるかはわからないけど、どこかにあるソフトとサーバを使わせてもらう」
ことで、メールの送受信を実現しているのです。


クラウド使用によるメリット・デメリット

ただ、クラウドサービスは便利なだけではなく、当然デメリットも存在します。個人向け、企業向けのクラウドサービスごとに、主な例を挙げて説明します。

個人向けクラウドサービスのメリット
  1. どこからでも、どんな端末からでもアクセスできる
    企業、個人問わず、クラウドサービスにおいて最もメリットを体感できるのはこれだと思います。わざわざSDカードやUSBメモリを使ってデータを移し替えなくても、データはインターネット上のサーバに保存されていますから、他のデバイスでもログインするだけでデータの共有が可能になります。買い物に行くとき、自宅のパソコンで欲しい商品を調べてメモしておいて、それをスマートフォンで確認する、といったことが可能になります。

  2. 更新作業が不要
    パソコンでもスマートフォンでも、インストールして使用するタイプのソフトは、定期的なアップデートが必要でした。ですが、クラウドサービスはソフトの更新をサーバ側で行ってくれるため、煩雑な更新作業や、それに伴うシステムの不具合に悩まされる必要もなくなるのです。

個人向けクラウドサービスのデメリット
  1. データ漏洩・紛失の可能性
    クラウドはインターネット上にデータを保管するわけなので当然と言えば当然なのですが、ログイン情報の流出や、その他サーバ側の不手際によって、簡単に個人情報が流出してしまう可能性があるわけです。前者はともかく、後者は使用者にとってはどうしようもないので、信頼のおけるサービスを使うようにしましょう。
    また、サーバ障害、サービス自体の廃止など、クラウド上に保存しておいたデータがいつのまにかなくなっていることも考えられます。大切なデータは、自分の手元にバックアップを取るようにした方が無難です。
企業向けクラウドサービスのメリット
  1. どこからでも、どんな端末からでもアクセスできる
    先ほど個人向けでも説明した内容と同じです。ネット環境さえあれば、たとえ出張先でも使えます。

  2. コスト削減
    ここでいう「コスト」とは、「初期コスト」と「保守・管理コスト」の2種類に分けられます。クラウドを用いず、自社でサーバやシステムを用意しようとすると、どうしても最初の環境整備や、稼働開始後の保守・管理に費用や人員を割かなければいけません。しかし、クラウドサービスにおいては、特に小規模のシステムで初期費用が抜群に軽減されるほか、煩雑なアップデート作業も管理会社が請け負ってくれるため、そのためのコストも削減が見込めるのです。

企業向けクラウドサービスのデメリット
  1. データ漏洩の可能性
    個人向けでも説明した内容ですが、企業向けのクラウドサービスでは扱うデータの性質上、よりハッキングの攻撃対象になりやすいというリスクがあります。当然企業向けの有料サービスであれば管理会社が何らかの対策はしてあるでしょうが、その面もきちんと確認しておくのが堅実かと思います。


クラウドサービスの分類

ここまで説明してきたクラウドサービスの提供形態ですが、実は更に細かく分類することができます。

SaaS(Software as a Service)

SaaSは、クラウドによってソフトウェアを提供するサービスのことです。先ほど例として挙げたGmailや、Google Driveなどのサービスは代表的なSaaSと言えるでしょう。
その他、個人向けではDropBox、企業向けではSalesforceなど、普段から皆さんがよく使っている「クラウドサービス」は、ほとんどがこのSaaSだと思います。

PaaS(Platform as a Service)

PaaSとは、クラウドによって開発環境を提供するサービスのことです。有名なところだとGoogle App EngineMicrosoft Azureなどがあります。
SaaSとは違い、PaaSとIaaSはエンジニア以外が使うことはあまりないと思います。利用者は提供された開発環境の上でウェブサービスを開発し、更に提供しているのです。

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaSとは、クラウドによってサーバを提供するサービスのことです。各種レンタルサーバなどはIaaSに含まれます。
PaaSより更に範囲が狭まって、サーバのみの提供となっていますが、開発環境から自分で用意できるため、自分の好きなプラットフォームで開発したい、という人はこちらを使うことになります。


おわりに

最近よく聞くけど、改めて考えてみるとイメージのつかめない「クラウド」という言葉について解説しました。
私自身大学でクラウドシステムを用いたゲームを開発していたことがあるのですが、意外と知らないことが多く苦戦しました改めて勉強し直すいい機会になったと思います。
今回の記事で、少しでも皆さんの「?」が解消出来たら幸いです!


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