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3年で辞めてもいい。でも“理解していないと損すること”がある

こんにちは、プロダクト部 部長の稲垣です。(自己紹介やこれまでのキャリアについて↓をご覧ください。) tech-blog.rakus.co.jp

はじめに

今回のテーマはすごい反響のあるこの noteのテーマについて書こうと思います。

※本記事は筆者個人の経験・価値観に基づくものであり、ラクスの評価制度やキャリア方針を示すものではありません。

note.com

自分もかなりうなずきながら読ませてもらいました。

このnoteを読んで思い出しました。 そう言えば自分は前職で、新卒や若手メンバーにたびたび「3年は一つの場所で成果を出すべき」伝えていました。

もちろん、世の中には本当に劣悪な環境もあるので「逃げるな」と言うつもりはありません。ただ、一般論として“3年はやってみるべき”という考えが自分のキャリア感にも強く根付いています。

なぜかというと、初期キャリアで以下のような価値観に触れて育ってきたからです。

  • 「石の上にも三年」という日本的価値観
  • 自分が入社した最初の会社でも、この価値観を強く求められた(同期200人中、3年で3割が離職)

当時は「長く働く=誠実」「短期離職=忍耐不足」という評価軸が強く、今とは少し状況が違います。

それでも今、自分は「3年間で“成果”を出す経験はキャリアの基盤になる」と感じています。ここからは、3年未満で転職したときに起こりやすいデメリットを、自分の経験も踏まえて整理します。


1. 成果の大きさに限界がある

先の note でも触れられていますが、「主体的に動いて実績を出す」には最低でも数年単位の時間が必要です。

偉そうに書いている私自身、実は過去に3年未満で2社を辞めています。

その2社でも「自分はこれをやったぞ!」という仕事はありましたが、正直かなり小粒でした。

その後の採用面接で「こんなことを成し遂げました」と胸を張って言えるレベルかというと、疑問が残ります。

特に入社時の職能や立場にもよりますが、製品づくりや事業成長に携わる職種において、短期間で大きな成果を出すことは構造的にかなり難しいと感じています。


2. 成果を出すための「筋力」がつかない

ここで言う「成果を出す筋力」とは、

  • 仕事を構造化して進める力
  • 課題の真因を特定する分析力
  • 関係者を巻き込み、調整する力
  • 自ら改善点を見つけて回すPDCA力
  • 継続して成果を出すための習慣・再現性

こうした“型”のことです。

これらは本や研修では身に付かず、実務で失敗や改善を重ねながら形成されるもの。しかも、その形成スピードは

環境 × 個人の適性 × 労働条件 × マネジメント品質

によって大きく変わります。

とはいえ、平均的にはこんなイメージになるのではと思っています。

【1年目:インプット期】「やり方」を学ぶ

  • 業務の全体像やルール、仕組みを覚える。
  • 基本的には先人に教わりながら動く段階。
  • まだ「自分で考えて成果を出す」フェーズではない。

【2年目:実践・改善期】「自分で回す」

  • 任される仕事が増え、失敗と改善のサイクルが回り始める。
  • ステークホルダーとの関係構築が進む。
  • ようやく「再現性のある成果」への第一歩を踏み出す。

【3年目:成果・貢献期】「型」ができる

  • 自分の強みを活かした成果が出る。
  • 年度をまたいだ継続的な改善が見える。 * ここで初めて「再現性のある価値提供」ができるようになる。

自分自身、3年未満で辞めた2社からは学びも成長も得られました。ただ、いま振り返ると 「成果を出すための筋力」までは育っていなかったと感じます。


3. 年収の伸びは“過去3年の積み上げ”で決まる

これは完全に持論ですが「今の年収は、3年前の努力の結果」だと思っています。多くの企業では、評価や給与改定は過去の実績をベースに決まります。

スキルや実績には「蓄積効果」があり、行動してからそれが数字としての成果になり、評価され、給与に反映されるまでには1〜2年のラグが生まれます。

つまり、年収の本質は「現在の価値 × 過去の蓄積」。

今の年収は、過去3年(またはそれ以上)の投資に対するリターンなのです。だからこそ「短期間で転職を繰り返す=積み上げが途切れる」ことになり、年収の伸びを自ら止めてしまうリスクがあります。

また、同じ会社に5年以上いると“在籍ボーナス”が効いてくるのも事実です。おそらくこれは以下のような“無形の価値”が積みあがるからです。

  • 業務知識の深さ
  • 上司からの信頼の積み重ね
  • 高難易度の仕事のチャンス
  • 組織内での reputational capital

これらは「社内」では強力な武器になりますが、転職市場にそのまま持ち出せるわけではありません。

ちなみに私は、転職時の最低希望年収を「当時の年収の2-3年前の金額」に設定するようにしています。 新しい環境で、今の年収に見合う価値をすぐに出す自信がないからです。(エージェントには「実際に下がると税金面で苦労しますよ」とかなり止められますが……)


4. 採用側からの見え方がポジティブに映りにくい

最後に、採用する側(面接官)としての客観的な視点です。 書類選考で3年未満の退職が連続している場合、どうしても以下のような懸念を抱いてしまいます。

  • 仕事や会社を理解する前に辞めているのでは?
  • 本人側に理由があるのか判断しにくい
  • 入社してもすぐ辞めるリスクがある
  • スキルの積み上げが十分ではない可能性がある

もちろん面接で事情を聞けば納得できるケースも多いのですが、複数回続くとポジティブには見られません。キャリアの一貫性がない場合は、さらに印象が悪化しやすいです。


とはいえ、「無理に3年働くべき」と言いたいわけではない

ここまでデメリットについて書きましたが、3年未満で転職すること自体を否定したいわけではありません。無理に3年働こうとすることで、逆に以下のようなリスクも生じます。

  • 合わない環境で心身をすり減らす
  • キャリア最適化は早いほどよい(特に20代は貴重)
  • 3年後には市場の状況が変わっている可能性がある

つまり、

「3年未満で辞めるデメリット」と 「無理に3年を目指すリスク」

この両天秤をしっかりと理解した上で、ご自身の「3年間」をどうデザインするかを考えるきっかけになれば幸いです。

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