株式会社ラクスでエンジニアリングマネージャをしている間澤です。
私達の組織では、ここ数年で管理職間やリーダー間でマネジメントやリーダーシップについてちょっとした勉強会をしています。 エンジニアは日頃そのテーマの学習の機会に触れるきっかけが少ないのかな、と感じていたのが始めたきっかけです。 開発をしていると技術のインプットだけでも大変ですよね。
そこで、私達が勉強会で本を読み合わせたうえで、議論や意見交換してみて良かったなと思う10冊をご紹介します。 先に言ってしまいますと殆どが技術本ではないです。エンジニアではない方にも有益だと思います。
単に本を読んだだけではあまり効果がないので、それを実際にやってみると人生がより良く変わっていきます。 仕事の中で、「それ、本に書いてあったことができてるね。」を言い合えることがポイントです。
- 1. 組織論:失敗の本質
- 2. リーダーシップ:マキアヴェッリ語録
- 3.問題解決:問題解決
- 4.論理思考力:ロジカル・プレゼンテーション
- 5.行動様式(自己啓発):人を動かす
- 6.心理学:嫌われる勇気
- 7.組織経営ポリシー:プロフェッショナルマネージャー
- 8.マネジメント:マネジメント(ドラッカー)
- 9.経営組織論:組織行動のマネジメント
- 10.プロダクトマネジメント:Inspired
1. 組織論:失敗の本質
一昔も二昔も前から著名なビジネス本です。 主に第二章を中心に旧日本型組織の陥りやすい弱点を理解します。 「目的が曖昧」であることが失敗を招きます。 「よかれ」や「雰囲気」で進めていくと簡単にあまり良くない状況に陥ります。 論理に基づいてタスクを進めているかが重要になります。
キーワード
- 戦略上の失敗:曖昧さ
あいまいな戦略目的、短期思考、主観的で帰納的な戦略策定、アンバランスな技術体系
- 組織上の失敗:柔軟さの欠如
人的ネットワーク偏重、属人的な組織、学習の軽視、プロセスや動機を重視した評価
2. リーダーシップ:マキアヴェッリ語録
勘違いされている方もいるかもしれませんが、強権な暴君の話ではありません。 過去の君主たちの実績が書かれた、必要な統率力の考え方とは何か、が書かれています。
戦える組織を作る。
軍隊(エンジニア)と法律(ルール)を整える。
良い法律とよい軍隊を持っていれば国は安定する。
このふたつこそが、国を保つための根幹である。
キーワード
- 必要な資質
変化への対応力、よからぬ者になりうる技、悪評から逃れるすべ、ケチであること、慈悲深さと冷酷さ、外見上は資質があるふりをする、気前の良さ
- 戦える組織をつくる
自分の軍を持つ、決断はひとりでする、有能な側近あるところに有能な君主あり、有能な側近に常に助言を求める、常に武装する
3.問題解決:問題解決
正しく問題を解決するプロセスを学びます。この本はすべてが重要なのですべてきちんと吸収したいです。
問題解決プロセス
現状把握(where)→課題抽出/特定(why)→あるべき姿(what)→対策立案(how)→モニタリング(KPI設定)
現状把握は非常に重要でここが誤っていたり、浅いと後続の各項目が矛盾したり、唐突だったりグダグダになります。
開発でいうと要求分析にあたるようなものなので全体の半分近くの力をここに注ぐのが望ましいです。
特に数値情報は説得力があり最後のKPIにも描きやすいです。
4.論理思考力:ロジカル・プレゼンテーション
前述の『問題解決』と同じ著者の方です。
ビジネスパーソンが価値の高い仕事を遂行していく上で必須となる能力が書かれています。
論理思考力:話をつなぐスキル
仮説検証力:疑問に答えるステップ
会議設計力:議論をまとめるスキル
資料作成力:紙に落とすステップ
5.行動様式(自己啓発):人を動かす
言わずもがなの古典の名著。 目次に示された行動に対して自己診断の◯×をつけて、みんなで評価し合うと楽しいです。 もし、できていない項目があれば、それができている人を見つけて真似するだけで良くなっていきます。
6.心理学:嫌われる勇気
タイトルがキャッチーですが、嫌われるわけではないです。 正しく「共同体へ貢献」する考え方とは何かを理解できる本です。 他人を変えるための心理学ではなく、自分が変わるための心理学です。 自分を認めてあげると気持ちが楽になります。
キーワード
解決策は課題の分離
対人関係のゴールは「共同体感覚」
叱っても褒めてもいけない
「勇気づけ」と「感謝」
自己受容/他者信頼/他者貢献
7.組織経営ポリシー:プロフェッショナルマネージャー
高い視点の持ち方、視点をどこに置くべきか(経営の秘訣)、マネジメントとリーダーシップの違いなどが書かれています。 あなたのリーダーシップはどのようにして獲得できるか?高められるか?知りたい方は答えが書いてあります。
本を読む時は、初めから終わりへと読む
ビジネスの経営はそれとは逆だ
終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをする
- 自分は何をやりたいのかをしっかり見定め、それをやり始めよ。
すみません、10冊といいながらこのテーマについてはもう1冊紹介させてください。
HIGH OUTPUT MANAGEMENT
- マネージャーのアウトプットとは、
「自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接組織のアウトプット」
マネージャーは「テコ作用」を活用すべき。
マネージャーというテコをチームに入れることで、チームのパワーを何倍にもする点をなる。
マネージャーはテコを探し、作る。
8.マネジメント:マネジメント(ドラッカー)
こちらも誰もが知る名著。ただし、読むのは少し難しいです。 別冊にはなりますが、『実践するドラッカー【思考編】』と『実践するドラッカー【行動編】』だけでも 良質なピックアップがされていて読みやすいです。
主な論点は、貢献、強み、集中、時間管理、意思決定、目標管理、計画、です。
一番のおすすめは「強み」です。
『なすべきは自らが持っていないものではなく、
自らが持っているものを使って成果を上げることである。』
強みとは、個々人が持っている資質を磨いたものである。
自分を最高に生かす方法は、できること、強み、に集中することである。
そして、強みを生かす3ステップ
1.明らかになった強みに集中する事
2.その強みをさらに伸ばす事
3.無知の元凶ともいうべき知的な傲慢(もうこれで十分という気持ち)を正す事
9.経営組織論:組織行動のマネジメント
こちらの本は重厚です。何回かに分けて、みんなで読んでいきました。 経営組織論に初めて触れる方は、なぜ経営理念があるのか、既にある人事制度や目標管理は論理に基づいている、組織文化を大事にする理由、などがわかります。
例えば、復数の管理職でこの本を読んだ際に、管理職の特性により以下の組織特性がありました。
グループシンク
安全志向重視が強い。→それが過度にならないようにどうするか注意が必要。
楽観的すぎる。→特定の人頼りになっていて管理も任せすぎた。
組織は、一時的に信頼が損なわれても説明でき、納得すれば関係を継続できる特徴があるので、早めの気づきからの説明と修正が重要になります。
また、コンフリクトについても一概に悪いものと思い込んでいる点がありました。
ですが、調和的で平穏で協力的な集団は停滞しがちで変化や改革の必要性に対して無関心かつ鈍感になりやすいというものになります。
対策は、集団のリーダーに対して、集団を活性化し、自己批判的、創造的にするのに必要な最小限のコンフリクトを常に維持するよう促すのが大事と書かれていました。
10.プロダクトマネジメント:Inspired
最後に、急にエンジニアリングに戻ります。 製品やサービスに必要な役割と責務が書かれています。
- プロダクトマネージャーの役割
製品の市場性を評価することと、開発すべき製品を定義することである。正しいもの(製品)は何かを定義する。(What)
- ユーザーエクスペリエンスデザイナーの役割
製品が対象とするユーザー像(ペルソナ)を深く理解した上で、ユーザーのニーズに合うように要求仕様とデザインの調和を図ろうとする。
- プロジェクトマネジメントの役割
製品が定義されれば、製品開発チームがプロジェクトを引き継ぎ、製品の開発に取りかかる。プロジェクトのスケジュールや工程・進捗の管理。正しくもの(製品)を作る。(How)
- エンジニアリングの役割
製品開発やソフトウェア開発(者)ともいうが、彼らは実際に製品を開発する人たちである。
- サイト(システム)運用の役割
ウェブサイトを運用するチームは、ウェブ上のサービスを常時稼働させる任務を負っている。
- プロダクトマーケティングの役割
製品を世界中に知らしめること、製品を対外的に発表すること、販売チャネルで製品を売り込むためのツールを提供すること、主要なマーケティング活動を指揮することである。
以上、どの書籍も大変身になるものばかりでした。大事なのは読むだけではなく「やってみること」だと思います。
最後に、宣伝を失礼します。株式会社ラクスでは、このように人やプロセスを大事にして、正しく製品やサービスを作っております。
ご興味がありましたら是非お声がけください。
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