はじめに
こんにちは、tuq376sです。
今回はGitで管理しているディレクトリでの作業をちょこっと中断したい場合に便利なgit stash
コマンドについて、
基本と便利なオプションの使い方を中心に紹介していきたいと思います。
Gitの使い方、git commitの取り消し方、git cloneを知りたい方は以下ブログもご一読ください
・ 【超入門】初心者のためのGitとGitHubの使い方 - RAKUS Developers Blog | ラクス エンジニアブログ
・ 【Git入門】git commitを取り消したい、元に戻す方法まとめ - RAKUS Developers Blog | ラクス エンジニアブログ
・ 【Git入門】git cloneで既存リポジトリをクローンしよう! - RAKUS Developers Blog | ラクス エンジニアブログ
目次
git stash
の基本的な使い方
まずは、基本的な操作から。
作業を退避する
現在の変更作業を退避するには以下のコマンドを使います。
git stash save
このコマンドにより、ワーキングとステージングにある作業を退避することができます。
save
部分は省略しgit stash
のみでも実行可能です。
退避した作業一覧を確認する
次に退避した作業の一覧を確認しましょう。
git stash list
実行すると、これまで退避したものを一覧で見ることができます。
並び順はgit log
と同じように上に表示されるものほど新しいものです。
$ git stash list stash@{0}: WIP on master: 36af2d1 added index.txt # 一番最近退避された作業内容 stash@{1}: WIP on master: f0d73fe added readme stash@{2}: WIP on master: 3faa214 feat readme
退避した作業を戻す
では、退避した作業を戻していきましょう。
作業を戻すコマンドは以下の2つがあります。
git stash apply git stash pop
どちらも実行することで退避した作業一覧の一番新しいものを戻すことができます。
apply
であれば退避一覧から該当の作業を削除しませんが、pop
であれば戻した作業が退避一覧から削除されるという違いがあります。
また、apply
とpop
どちらのコマンドでも以下のように指定することでgit stash list
で確認できる任意の退避作業を戻すことができます。
$ git stash list stash@{0}: WIP on master: 36af2d1 added index.txt stash@{1}: WIP on master: f0d73fe added readme $ git stash pop stash@{1} # 戻したい作業を指定 On branch master (中略) Dropped stash@{1} (aa9b3a02231103600f1e622beb30118b28b202d3) $ git stash list stash@{0}: WIP on master: 36af2d1 added index.txt
以上を覚えておけば、git stash
コマンドは問題なく使うことはできるかと思います。
けれどもっと便利な使い方もありますので、次はそちらを紹介していきます。
git stash
のいろいろな退避の仕方
名前を付けて退避する
git stash list
で確認できる一覧は、ぱっと見でどの作業内容を保存したものかがわかりづらいです。
そこで、退避時に名前を付けて一覧をわかりやすくしてみたいと思います。
$ git stash save "test_stash" # 名前を付けて作業を保存 Saved working directory and index state On master: test_stash $ git stash list stash@{0}: On master: test_stash # 名前を付けて保存した作業 stash@{1}: WIP on master: f0d73fe added readme # 名前を付けず保存した作業
上記のようにgit stash save
の後ろに名前を指定することで、一覧から参照することができます。
ただし、名前を指定する場合はsave
を省略できないことに注意です。
ステージングを維持したまま退避する
git stash
を実行するとワーキングとステージングにある作業を退避することができますが、
そのまま作業を戻すと、ステージングにあった変更もワーキングに戻ってしまいます。
ステージング状態を維持したままにするためには、戻す際にオプションを指定します。
git stash pop --index
もちろんapply
でも同じようにステージングの状態を維持することができます。
$ git status On branch master Changes to be committed: (use "git restore --staged <file>..." to unstage) modified: readme.md Changes not staged for commit: (use "git add <file>..." to update what will be committed) (use "git restore <file>..." to discard changes in working directory) modified: index.txt $ git stash $ git stash apply --index # ステージングを維持したまま作業を戻す On branch master Changes to be committed: (use "git restore --staged <file>..." to unstage) modified: readme.md Changes not staged for commit: (use "git add <file>..." to update what will be committed) (use "git restore <file>..." to discard changes in working directory) modified: index.txt
追跡されていないファイルの退避する
追跡されていない状態のものについてはgit stash
の実行では退避されません。
新規作成したファイル等の追跡されていないものも含めて退避するには、以下のようにオプションを指定する必要があります。
git stash -u
退避した追跡されていないファイルは、戻すと再び追跡されていないファイルとなります。
$ git status On branch master Your branch is up to date with 'origin/master'. Untracked files: (use "git add <file>..." to include in what will be committed) test.txt nothing added to commit but untracked files present (use "git add" to track) $ git stash -u # 追跡されていないファイルを含めて退避 Saved working directory and index state WIP on master: f0d73fe added readme $ git status # 追跡されていないファイルも退避されている On branch public_batch_data_acquisition nothing to commit, working tree clean $ git stash pop (中略) Untracked files: (use "git add <file>..." to include in what will be committed) test.txt nothing added to commit but untracked files present (use "git add" to track)
退避した作業の確認
退避した作業の一覧はgit stash list
で確認することはできますが、各作業の詳細を確認するには以下のコマンドを用います。
git stash show [確認したい作業]
明示的に指定がなければ最新のものについて、指定があればその作業の詳細を確認できます。
$ git stash list stash@{0}: WIP on master: 36af2d1 added index.txt stash@{1}: WIP on master: f0d73fe added readme $ git stash show # stash@{0}の詳細を表示 index.txt | 2 +- 1 file changed, 1 insertion(+), 1 deletion(-) $ git stash show stash@{1} # stash@{1}の詳細を表示 readme.md | 6 +++--- 1 file changed, 3 insertion(+), 3 deletion(-)
また、diff
コマンドのように確認したい場合は以下のオプションを付与します。
git stash show -p [確認したい作業]
退避した作業の削除
一時的な作業退避と言っても、退避した作業が最終的に不要になったりすることもあるかと思います。
そのような場合もコマンドで退避した作業の削除が可能です。
まず、一覧にあるものすべてを削除したい場合は以下を指定します。
git stash clear
そして、一覧から1件ずつ削除したい場合は、以下のコマンドから行えます。
git stash drop [削除したい作業]
削除したい作業を指定しない場合は一番新しいものが削除されます。
$ git stash list stash@{0}: WIP on master: 36af2d1 added index.txt stash@{1}: WIP on master: f0d73fe added readme stash@{2}: WIP on master: 3faa214 feat readme $ git stash drop stash@{2} # 作業を指定して削除 Dropped stash@{2} (af801de83b4f3f5ad60b11faa8a77021d962f18d) $ git stash list stash@{0}: WIP on master: 36af2d1 added index.txt stash@{1}: WIP on master: f0d73fe added readme $ git stash drop # 作業を指定せず削除 Dropped refs/stash@{0} (4ce005a5c0489fc31008e28b6f64ebcd3d008f52) $ git stash list stash@{0}: WIP on master: f0d73fe added readme
おわりに
Gitの操作は日常的に行うものの、なんだかんだと自分は基本的な使い方しかしていないので、
今回はもう少し便利な使い方を覚えようと、git stash
に焦点を当ててみました。
読んでいただいた方に1つでも、へぇと思っていただけるものがあれば幸いです。
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