自己紹介
ラクスでPdMをしております。@keeeey_mと申します。
現在の担当商材は、楽楽シリーズ(楽楽精算、楽楽明細、楽楽電子保存)を担当しており、個人としては楽楽精算×AIの担当、 楽楽明細・楽楽電子保存PdMチームのリーダーをしております。
はじめに:AI時代におけるPdMの役割変化
先日、AI×PdM vol.1 〜AI時代のプロダクト開発・社内業務改革の最前線〜というイベントに参加する機会がありました。このイベントでは、AI技術の急速な発展により、プロダクトマネージャー(PdM)の役割がどのように変化しているかについて、多くの示唆に富む議論が交わされました。
本記事では、イベントでの議論を踏まえ、AI時代におけるPdMの業務の代替容易性について分析し、今後求められる価値について考察します。
こんな方におすすめの記事です
- プロダクトマネージャー(PdM)として、AI時代の自分の役割について考えている方
- プロダクト開発の組織マネジメントに関わり、AI活用を検討している方
- プロダクトマネジメントのミドル層として、次のステップを模索している方
AI時代において、どのように価値を創出し、組織をリードしていくかを考えるための一助となれば幸いです。
目次
- イベントの概要:3つのセッションで語られたAI時代のPdM
- イベントを通じて気づいたこと:組織と人材の変化
- 参考になった考え方:AI時代のPdMに必要な視点
- 代替されやすい業務:AIに任せられる領域
- 代替されにくい業務:人間ならではの価値創出
- 今後求められるPdMの価値:戦略とイノベーション
- まとめ
イベントの概要:3つのセッションで語られたAI時代のPdM
イベントは3つのセッションで構成されていました
セッション1:「AIでビジネスはどう変化するのか」
- スマートバンク CEO 堀井翔太氏
- UPSIDER 代表取締役 宮城徹氏
- LayerX バクラク事業部CPO 兼 CEO室 榎本悠介氏
セッション2:「新規事業とPdMの役割」
- テックタッチ 取締役CPO 中出昌哉氏
- estie 執行役員 VPoP 久保拓也氏
- SmartHR タレントマネジメントプロダクト本部 Director 松栄友希氏
セッション3:「AI活用プロダクトの最新トレンド」
- Zen and Company 代表取締役 宮田善孝氏
- ログラス 執行役員CBDO 斉藤知明氏
- Algomatic 代表取締役CEO 大野峻典氏
- バベル 代表取締役CEO 杉山大幹氏
イベントを通じて気づいたこと:組織と人材の変化
組織文化の重要性
- AI活用を推進するためには、組織全体の文化変革が不可欠
- 定期的なAIに関する情報共有や表彰制度の効果
戦略的なAI活用の必要性
- 単なる効率化だけでなく、ビジネスモデルの変革を視野に入れる
- 既存の顧客体験を維持しながら、段階的にAIを導入する重要性
- コストと効果のバランスを考慮した意思決定の必要性
人材採用と育成の変化
- AIスキルだけでなく、基本的なプロダクトマネジメント力の重要性
- 若手の積極的な登用と、経験豊富な人材の知見の組み合わせ
- 継続的な学習と実践のサイクルの重要性
プロダクト開発の新しい潮流
- ワークフロー中心の設計思考の重要性
- 顧客体験の継続的な改善と、AIによる付加価値の創出
- スピード感のある開発と、品質の両立
参考になった考え方:AI時代のPdMに必要な視点
AIの使い方にグラデーションがある
AIの使い方には、単純な自動化から複雑な意思決定支援まで、様々なレベルがあります。そして、どのレベルで使っているかは人によって様々です。PdMは、何のためにAIを使うのかを明確にし、適切なレベルで活用することが重要になってくる。
実践している者が尊い
AI時代においても、自分自身でAIを使い手を動かし実践している者が尊い。PdMは、理論だけでなく、実践を通じて価値を創出することが求められる。
一次情報を獲得できる能力
AIが発達しても、一次情報を獲得できる能力は重要です。PdMは、顧客や市場との直接的な対話を通じて、深い理解を得ることが求められる。
アーキテクトのように全体を設計できる能力
AIを活用する際には、プロダクト全体を俯瞰し、適切な設計を行う能力が求められます。PdMは、アーキテクトのように全体を設計できる能力を持つことが重要になってくる。
代替されやすい業務:AIに任せられる領域
イベントでの議論を通じて、AIの活用方法や組織文化の重要性について理解を深めました。これらの知見を踏まえ、PdMの業務を「AIに代替されやすい業務」と「代替されにくい業務」に分類することで、今後求められる価値についてより具体的に考えてみました。
AIによって代替されやすい業務は、主に定型的でルーティン化された作業です
- データ分析・レポート作成
- ドキュメント作成
- 定型的なコミュニケーション
- 基本的なタスク管理
これらの業務は、AIによって効率化され、PdMの時間をより価値の高い活動に割り当てることが可能になります。
代替されにくい業務:人間ならではの価値創出
一方で、以下の業務は人間の判断や創造性が求められるため、代替が難しいとされています
戦略的判断
- 市場機会の特定
- 投資判断
- 長期的なビジョンの設定
一次情報の獲得
- 顧客との直接的な対話
- 市場の深い理解
- 業界トレンドの把握
組織間調整
- 複雑な利害関係の調整
- 部門間の協力体制の構築
- チームのモチベーション管理
今後求められるPdMの価値:戦略とイノベーション
AI時代のPdMには、以下のような価値が求められます
戦略的思考
- 市場の深い理解
- 長期的なビジョンの設定
- リソース配分の最適化
イノベーション創出
- 新しいビジネスモデルの考案
- 革新的なソリューションの設計
- 創造的な問題解決
組織開発
- チームの育成
- 組織文化の形成
- 人材の最適配置
まとめ
AI時代のPdMは、定型的な業務をAIに任せ、より戦略的で創造的な業務に集中することが求められています。特に、一次情報の獲得や組織間調整、イノベーション創出など、人間的な判断や創造性が求められる領域での役割が重要です。
あなたは、AI時代において、どのような価値を創出していきたいですか?
そして、そのために今、何を始めるべきだと考えていますか?