株式会社ラクスでエンジニアリングマネージャをしているmzwkunです。
先月開催されたDevelopers Summit 2019にて、AWSの方が『イノベーションを支えるアマゾン文化』というテーマを発表されていたので、普段行っている自分たちの開発スタイルと比較して、特に気になったところをピックアップしていきます。
多彩で使いやすいサービスを提供されているAWSさんと比較して学べればと思っています。
AWSのイノベーションの文化
- 顧客に徹底的にこだわる、顧客を起点に行動する
- 長期的視点での継続した投資
- ビジョンにはこだわるが、詳細なことは柔軟に対応
- もし創造的でありたいなら失敗を恐れない
ラクスにはリーダーシッププリンシプルがあり、少し表現は違いますが以下と合致しそうだと感じました。
「やるべきことを実行する」「小さく試して大きく育てる」「誠意をもって人と接する」「失敗を許容する」
自分のやりたい事ではなく、顧客視点や失敗を恐れないでチャレンジする点はイノベーションの起点ですね。
AWSのイノベーションのための組織づくり
- 新サービス開発を行う際にまずはプレスリリースとFAQを作る
- FAQは顧客とステークホルダー(社内関係者)の両面を含める
- 会議でプレゼンツールはあまり使わず見た目に委ねないようにする(見栄えで騙されないように)
- 6pagerと呼ばれるレポートを作り事前に読んでおく(ナラティブ【物語】とも呼ばれている)
目的や効果を定めるために真っ先にプレスリリースを作るのは興味深い行動ですね。
私達の開発では「要求仕様書」というドキュメントを企画と開発、関連部署で作成して意識を合わせるようにしています。 そこには要求概要や機能要求など定めるべき当然なものから、保守・品質・性能・運用・サポートといったサービス全体に必要と思われるものが記載されています。 プレスリリースは作れていませんが、ステークホルダーの視点は全て集約できるようにし、レビューによって多様な立場からの意見を受け入れるようにしています。
AWSのアーキテクチャ
マイクロサービスを前提にテストや自動化の重視と奇をてらうこと無く基本に忠実でした。 ラクスでもDevOpsは外部に任せず内製で力をつけながら進めています。
AWSのカルチャー
- 5 whys (いわゆる、なぜなぜ)
- ドアデスクがある 創業時にドア用の板を簡素な机にしていた ※倹約を忘れないように!
- スピード 過剰な分析、過剰な議論よりもプロトタイプを作ってみる
- ベストを尽くす 高い目標、メンタリング、ピアフィードバック
QCD、ロジカル、インタラクションというキーワードになりそうです。 ロジカルはラクスでも古くからの重要な文化であり、インタラクションも最近重要視されていて、1on1ミーティングやコーチングというワードが飛び交っています。 そこからどのような行動に移しているかは今後ご紹介したいと思います。
AWSの組織
- 2-Pizza Teams 必ず目が行き届くように
- QA、障害対応、運用はすべて自チーム内でやる
- 早く経験し、繰り返す
- レビュー待ち状態は厳禁!
やはり10人以下のチーム構成による、きめ細やかなコミュニケーションを土台としたチーム開発が重要そうです。 ラクスでもメンバーを増やすだけではなく、リーダーやマネージャも積極的に育成や採用をして不自然な構成にならないよう努めています。 自チーム内でやるというのも、全てを内製で進めているラクスと似ています。 レビュー待ち厳禁は少し耳の痛い言葉ですが、リーダーの皆さんが頑張って効率性を守ってくれています。
Every day is still Day One.
- 毎日が常に「Day One」である
- 最初の一歩を踏み出す日
- 新たな挑戦を心待ちにする日
- そして今日が、皆様にとっての「Day One」
素晴らしい考え方ですね。素直に参考としたいです。
いろいろと見ていきましたが、共通となりそうな点も多く、自分たちのやっていることにさらに自信が持てそうです。